ことしで52回目を迎えた『くまもとマーチングフェスティバル』が8月25日に開催されました。若者たちによる〈力強く美しい演奏〉と〈一体感のある演技〉をお伝えします。
熊本市東区にある、えがお健康スタジアムで開催された『KMバイオロジクスプレゼンツ 明日を築く若人の祭典 第52回くまもとマーチングフェスティバル』。
出演する団体で構成されたマーチングバンドが、華やかにオープニングを飾りました。
ことしは、県内の中学校や高校など23団体が出演。
まずは中学生たちがはつらつとしたパフォーマンスで会場を盛り上げます。
菊陽町立菊陽中学校は第1回から連続で出演しています。ことしは『青い珊瑚礁』など、松田聖子さんの往年の名曲メドレーを披露しました。
【菊陽町立菊陽中学校 吹奏楽部 松野 葵 部長】
「緊張してミスもあったが、とても楽しくできたので、よかった。(連続出場してきた)菊陽中 吹奏楽部の歴史に名前を刻めてとても光栄」
後半からは高校生が中心に。統制の取れたパフォーマンスを見せながら、澄んだ音色を会場に響かせます。
慶誠高校は『思い出の曲』として、アメリカ国歌を演奏しました。
【慶誠高校 吹奏楽部 本田 明音 部長】
「アメリカに行ったときに演奏した曲でもあり、思い出の曲なので、慶誠らしい音楽をお客さんにも楽しんでもらえれば」
慶誠高校 吹奏楽部はことし5月、アメリカ・オレゴン州を訪問。以前から交流のあるグランツパス高校のコンサートに参加し、高校のジャズバンドと合同演奏を披露しました。
今回のマーチングではその時に演奏した曲を選びました。
音楽という〈世界共通の言語〉で絆を深めた、かけがえのない思い出。そして、成長した姿を堂々と披露します。
【慶誠高校 吹奏楽部 本田 明音 部長】
「他の高校生ではできないことを経験した私たちにしかできない演奏ができたと思う。皆さんから拍手をもらって、慶誠を初めて知った人にも感動を与えられたかなと感じる」
プログラムは進み、いよいよ最後の出演団体です。
【熊本工業高校 吹奏楽部 岩村 泰虎さん】
「初めて参加するので、とても緊張しているが、ノーミスで良い音を出せるように頑張りたい」
【熊本工業高校 吹奏楽部 村里 優夢 部長】
「私たちのテーマが『パッション』なので、(観客の)皆さんと一体となって楽しんで、私たちの情熱『パッション』を届けたい」
ことしのトリを飾ったのは、熊本工業高校吹奏楽部です。1971(昭和46)年からと、マーチングバンドとしては、九州で最も長い活動実績を誇る熊本工業高校。第1回のマーチングフェスティバルから毎回、観客を魅了してきた熊工のパフォーマンスは、ことしも圧巻でした。
【熊本工業高校 吹奏楽部 村里 優夢 部長】
「歓声がすごく聞こえてきて、(会場が)一体となって(マーチングフェスティバルを)つくり上げているのだと実感した。私たちの情熱や思いを皆さんに届けられたと思う」
そして、フィナーレ。出演者と観客が一体となって、会場は音と光に彩られた幻想的な雰囲気となりました。
【出演者】
「楽しかった!」
「青春ですね」
「マーフェス、最高!」
【観客(熊本工業高校OB)】
「(後輩が)頑張っていた。たまんないですね、最高」
【観客(娘が出演)】
「〈夏の最後はこれ〉という感じ。私も中学生の時に出ていたので、懐かしくて、すごく楽しかった」
ことしで52回目となったこのイベントですが、生徒数の減少などで、近隣の学校と合同で出演する団体が増えています。
しかし、イベントの〈生みの親〉である熊本県マーチングバンド協会の森 義臣 名誉会長は、「そのような変化にも意義がある」とし、マーチングフェスティバルの魅力を次のように話します。
【熊本県マーチングバンド協会 森 義臣 名誉会長】
「学校が違う者同士が一つに集まって、マーチングを練習して発表する。これは子供たちにとって人間的にもためになる。『くまもとマーチングフェスティバル』は不特定多数の人や卒業生などが〈また来年行きたい〉と思えるイベントであり、そこがいいところ」
半世紀以上親しまれてきた『くまもとマーチングフェスティバル』。これからも若者たちが、美しい音色と力強いパフォーマンスで観客を魅了し続けます。
TKUでは、この日の模様を特別番組でお伝えします。放送は9月7日(日)午後4時25分からです。ぜひご覧ください。