プレスリリース配信元:合同会社アゴラックス
アゴラックスがスクラムマスターとアジャイルコーチの年収調査結果を公開
アジャイル開発の普及に伴い、スクラムマスターやアジャイルコーチといった役割は、日本国内でも重要性を増しています。しかし、これらの職種に関する報酬やキャリアの実態については、十分なデータがこれまで存在していませんでした。そこで合同会社アゴラックスは、日本国内におけるスクラムマスターとアジャイルコーチの年収やキャリア傾向を調査し、その現状を明らかにしました。
調査結果レポートの入手先
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はじめに
本調査は、日本国内におけるアジャイルコーチとスクラムマスターの年収傾向を明らかにし、両者の特徴や今後のキャリアを検討する際の一助となることを目的に実施しました。グローバルでは同様の調査が行われていますが、その傾向が日本市場にそのまま当てはまるとは限りません。そこで、日本国内に特化した調査を行いました。本調査そのものも一種の「実験」と捉えており、この試みによってどのような事実が浮き彫りになるのか、またどのような反響が得られるのかを検証し、今後に活かしていきます。
スクラムマスターやアジャイルコーチはそもそも何をする?
スクラムマスターは、複雑で予測困難な領域において成果を生み出すためのフレームワークであるスクラム(Scrum)を、組織やチームで正しく理解し実践されるよう責任を担います。
その本質は、スクラムの基盤である経験主義を推進し、透明性・検査・適応が日常的に行われる環境を整えることです。さらに、チームが自己管理を発揮し、効果的に協働し、持続的に高い成果を出せるよう支援します。その結果、チームが顧客やステークホルダーに最大の価値を継続的に届けられるように、スクラムマスターはチームや組織全体に大きく貢献します。
アジャイルコーチは、スクラムで公式に定義される役割ではありませんが、一般的には、組織やチームがアジャイルの原則やプラクティスをよりよく実践できるように伴走し、支援する役割を指します。特定のチームに寄り添うこともあれば、複数チームや経営層と関わり、組織全体のアジャイル変革を後押しすることもあります。
いずれの役割も、雇用形態や責任範囲、実践手段は多岐にわたります。共通するのは、複雑な状況に対応するために人とチームを導き、価値の最大化に寄与する点です。
今回の調査は、日本国内で活動するスクラムマスターやアジャイルコーチを対象に、彼らのキャリアや経験、年収といった現状を明らかにするものです。
調査結果サマリー
調査期間:2025年5月
有効回答者数:63名
スクラムマスターの割合:49%
アジャイルコーチの割合:51%
平均年収:約1,108万円(中央値:990万円)
SMとACの年収に関する主な気づき
1. スクラムマスター・アジャイルコーチの年収には大きな開きがあります
スクラムマスター・アジャイルコーチは、若手からシニアに至るまで幅広い年齢層によって遂行されている役割であることが浮き彫りになりました。回答者の年齢は29歳から57歳まででした。これは、スクラムマスター・アジャイルコーチがチームや組織に提供するサービスの内容や、認識される価値が大きく異なることを示唆しています。
年代による年収の差は、20代と50代で平均で2倍以上でした。しかしながら、どの年代においても他の役割と比較すると年収は高い傾向にあると推察されます(調査対象外のため)。
2. 兼務しない方が収入が多いです
44%のスクラムマスター・アジャイルコーチは兼務をしています。兼務していないスクラムマスター・アジャイルコーチ(残りの56%)は、兼務している人より16%収入が多いという結果になりました。
3. スクラムマスター・アジャイルコーチの年収は、経験ごとにステップアップします
スクラムマスター・アジャイルコーチの年収は、経験年数を重ねるごとに増加する傾向があることがわかりました。特に5年以上の経験を積むことで、大きなステップアップにつながる傾向が見られました。ただし今回の調査では、単に経験を積めば上昇するのか、あるいは実績が評価されることで上昇するのかまでは明らかにできませんでした(調査範囲外のため)。
4. 上級レベルの認定資格を持つ方が収入が多いです
PSM III(Scrum.org)、CSP-SM(Scrum Alliance)、ICP-ACCなど、より高度な資格を取得しているスクラムマスター・アジャイルコーチは、資格を持っていない人やエントリーレベルの資格しか持っていない人よりも収入が多いという結果でした。
これら1~4をまとめると、スクラムマスター・アジャイルコーチとしての能力を開発し発揮することに重点を置く人ほど、収入が高くなる傾向にあると推察されます。
5. 「アジャイルコーチ」は「スクラムマスター」よりも56%多く稼いでいます
スクラムマスターよりもアジャイルコーチとしての職責を担う方が、年収が多い傾向が見られました。この格差は、スクラムマスターの58%が経験4年以下である一方、アジャイルコーチの68%が経験5年以上であることから、経験の差によって説明できる部分もあります。
また、スクラムマスターは自社内雇用が多く、アジャイルコーチは外部人材や業務委託が多い傾向があり、その違いが年収に反映されている可能性もあります。さらに、スクラムマスターはスクラムチーム内の責任に限られるため報酬の幅に制約がありますが、アジャイルコーチは複数チームや組織全体の変革を担うことで、報酬の幅がより広がるのではないかと考えられます。
6. 最も年収が高い業界は保険、金融、ヘルスケア・製薬です
保険業、金融業、ヘルスケア・製薬業において、スクラムマスター・アジャイルコーチの年収が高い傾向が見られました。これは、これらの業界におけるアジャイルの浸透度合いが高いためか、あるいは今後の重要性の表れかもしれません。
7.フリーランスについて
フリーランスは全体の少数派であり(6名・10%)、平均年収は18,250,000円で、他の人よりも77%高い結果となりました。ただし、回答者数が少なく、また経験・年齢・国籍・認定資格がそれぞれ異なるため、明確なパターンは確認できませんでした。したがって、この調査からだけでは、フリーランスになることが必ずしも年収アップにつながるとは結論づけられません。
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合同会社アゴラックスについて
合同会社アゴラックス(Agorax)は、日本の企業やチームがアジャイル開発を効果的に活用し、より良い組織・プロダクトをつくることを支援する会社です。Scrum.orgの認定トレーニング(PSM、PSPO、PSM-A、PSPO-A、PPDV、PSPO-AI Essentialsなど)をはじめ、様々なトレーニングを提供しています。企業のアジャイル変革を伴走支援するコンサルティング・コーチングや、アジャイル人材の採用支援サービスも展開しています。
合同会社アゴラックス
公式サイト:https://www.agorax.jp/
メール:contact@agorax.jp
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