柴田新監督のホーム初勝利。その歓喜を呼び込んだのは、キャプテン高嶺朋樹の左足だった。

 8月30日(土)、ダイワハウスプレミストドームで行われたJ2北海道コンサドーレ札幌対RB大宮アルディージャ戦。試合を決めたのは前半アディショナルタイムにペナルティエリア手前で得た一本のフリーキックだった。

 キッカーはキャプテン高嶺朋樹。「キーパー側にスペースがあると思った」。狙いすました左足で放ったボールはゴール左上に吸い込まれた。強烈かつ正確な一撃。1-0、札幌が先制した。

FKでゴールを決めた高嶺朋樹選手
FKでゴールを決めた高嶺朋樹選手
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 試合序盤は大宮に押し込まれ、札幌は耐える時間が続いた。しかし前半32分にはスパチョークのクロスから白井が頭で合わせる惜しい場面も。続く44分にはマリオセルジオの突破から再びチャンスを迎えるが、白井陽斗、高尾瑠のシュートは実らず。それでも前半アディショナルタイム2分、キャプテンが流れを引き寄せた。

 後半、柴田監督は攻撃の手を緩めなかった。「ボールを動かして、相手を押し込み、ゴールから遠ざける。そして2点目、3点目を取りにいくのが理想」。その言葉通り、交代カードを切りながらアグレッシブに攻め続けるが追加点は奪えなかった。それでもディフェンス陣が1-0のスコアを守り抜き、柴田体制でのホーム初勝利を飾った。

ペナルティエリア手前でファウルを受ける高嶺朋樹選手
ペナルティエリア手前でファウルを受ける高嶺朋樹選手

 試合後、場内を一周した柴田監督は、
「本当にたくさんの方々にサポートされていると実感しますし、どんな時も支えてくださる方々の笑顔を見て回れるという、これ以上ない最高の景色です」

 就任から3試合で2勝1敗。「勝ち点3を失っている」と冷静に振り返り、次節に向けても「まだまだ改善していかなければならないことがたくさんある」としながらも、選手に対しては「勇気を持って強気に、自分から仕掛けるフットボールをしよう。みんなで戦うぞと心に火をつけてピッチに送り出すことは意識しています」と語った。

攻める姿勢を最後まで失わない――。その覚悟が、札幌を再び上昇気流に乗せるかもしれない。

試合後に会見をする柴田慎吾監督
試合後に会見をする柴田慎吾監督
北海道文化放送
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