移住を考える人を“先輩”が後押し

新型コロナウイルスの影響でテレワークの普及が進むなど、働き方に変化が生じている中、今、県や自治体が期待を寄せているのが「地方移住」。
こうしたチャンスを生かそうと、動画で地方の魅力をPRする人たちがいる。

花角知事:
地方への関心が従前より高まっているというのは(データに)出ていると思うので、そこの関心が高まっている層をうまくすくいたい

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9月の会見で、こう話した花角知事。
新型コロナウイルスの影響で、働き方のさまざまな選択肢が示される中、県は、首都圏から移住しテレワークを行う人に対し、最大50万円の支援を打ち出すなど移住の促進を図っている。

そして、移住を考える人を後押しする人たちもいる。

出雲崎町地域おこし協力隊 坂東拓哉さん:
今25歳だけど、僕が移住してきたというリアルな姿をYouTubeで発信しています

それが、先輩移住者!

出雲崎町地域おこし協力隊・坂東拓哉さん:
ごめんください、地域おこし協力隊の坂東です

出雲崎町吉川地区の農家・遠藤文男さん:
おお、きょうはどうした?

出雲崎町地域おこし協力隊・坂東拓哉さん:
きょうは、この間の稲刈りの動画ができたので、それを見せようかなと

大阪府出身で、大学時代に新潟に移住してきた坂東拓哉さんは、出雲崎町の地域おこし協力隊として、地方の暮らしを撮影し動画で発信している。

出雲崎町地域おこし協力隊・坂東拓哉さん:
今、地方移住とか興味がある方が増えているんですけど。その方々が体験しているような没入感というか、映像の中に自分が入っているような感じになれるテイストで撮影して編集している

坂東さんは、出雲崎町での普段の生活や、地域の人との何気ないふれあいなどをYouTubeにアップ。移住を考える人に、出雲崎町での暮らしをイメージしてもらうおうと考えている。

地方の暮らしをYouTubeに 後継者不足の解消期待

稲刈りの時期を迎えた9月中旬、出雲崎町の吉川地区で、坂東さんは農家の手伝いをしていた。

出雲崎町地域おこし協力隊・坂東拓哉さん:
新しい経験で、大阪にいたら全然こういうこともできない。こういうコロナ禍の状況で、地方移住に興味を持っている人もいると思うので、こういうのが少しでも伝わればいい

出雲崎町吉川地区の人口は、現在17人。
吉川地区のコシヒカリはおいしいと評判だが、農家が2人しかおらず、後継者もいないため、農家の遠藤文男さんは、坂東さんの活動に期待を寄せる。

出雲崎町吉川地区の農家・遠藤文男さん:
われわれも、もうあと何年できるか…。そしたら、ここ(田んぼを)全部やっているんだけど、やってくれる人がいなきゃ終わっちゃう。坂東君に期待している

2020年で73歳の遠藤さんも、もともとは会社勤めで、定年後に吉川地区の自宅に帰った際、後継者のいなくなった5ヘクタールの田んぼを譲り受ける形で農家に。
今度は、後継者を探す立場となった。

ーー農業を知らないが、興味がある人がいたら?

出雲崎町吉川地区の農家・遠藤文男さん:
大歓迎なので応援する。どれだけできるかは別。担い手になる人たちが育ってくれないと、出雲崎農業は、もう何年ももたない

農作業の様子も発信しながら、こうした後継者不足の解消にもつながればと考える坂東さん。
しかし、そう簡単ではないことも理解している。

出雲崎町地域おこし協力隊・坂東拓哉さん:
担い手不足というのは感じるが、移住してすぐにというのは難しいと思うので、段階的に移住して、その中で少しずつ地域になじんで、その穴を少しでも埋められるような人が増えてくればいいなと思う

映像制作会社での経験を生かし魅力を発信

出雲崎町地域おこし協力隊・坂東拓哉さん:
南雲さんの新しい動画、オープンスクールもちょっと見ました

津南町地域おこし協力隊・南雲一人さん:
ありがとうございます

この日、坂東さんがテレビ会議システムを使って話をしていたのは、津南町の地域おこし協力隊として活動している南雲一人さん。

津南町地域おこし協力隊・南雲一人さん:
南雲家がどんなふうに津南町で生活しているのかを中心に映像を作っています

“自然の中で子どもたちと過ごしたい”と、南雲さんは、埼玉県から2020年6月末に家族6人で津南町に移住。
映像の制作会社に勤めていた経験を生かし、地方の暮らしをYouTubeで発信している。

津南町地域おこし協力隊・南雲一人さん:
(地方暮らしの)知りたいことだったり、不安に思うことを中心に映像を作っていこうと思っている

津南町地域おこし協力隊・南雲一人さん:
こんにちは。地域おこし協力隊の南雲です。今回はトウモロコシの収穫を体験してきました

南雲さんの動画で表現されているのも、移住先の津南町での暮らしぶり。

津南町地域おこし協力隊・南雲一人さん:
うちはにぎやかなので、どこまで参考になるかは分からないですけど

3歳から高校3年生までの南雲さんの子どもたちが、近所の家のお手伝いやアルバイトをする様子など、突然の田舎暮らしに悪戦苦闘しながらも楽しんでいる姿が配信されている。

南雲さんの長男・吾紀斗さん:
店とかがなくて不便だなと思うけど、自然がすごくあるから心が洗われる感じがする

こうした家族の姿を通して津南町の魅力を発信している南雲家には、商店街の人たちも注目していた。

理髪店の店主:
どんどん津南の良さを発信してもらえればありがたい。それで他からも移住してきてくれる人がどんどん増えてくれると最高

飲食店の店主:
津南に来て生活して、「いいところですよ」と(アピールする)。そういうのはいいことだと思う。津南はいいところなので

そして、新型コロナウイルスの影響でテレワークなど新たな働き方が広がりを見せる今、南雲さんは、以前よりも移住による仕事への不安は小さくなっていると感じていた。

津南町地域おこし協力隊・南雲一人さん:
デジタルコンテンツの制作だったり、パソコンがあってやれること、原稿を書いたりいろいろあると思うが、そういったところで可能性はあるのかなと感じている

人口減少という課題に立ち向かうため、いかに移住者を取り込んでいくか。
地方同士の人材獲得競争が激化する中、地道な魅力の発信が重要になると言えそうだ。

(NST新潟総合テレビ)