地域住民へのお知らせや連絡事項などを記した文書を各家庭が順番に回していく回覧板。子どもの頃、家族に「お隣さんに届けてきて」と言われた経験がある方もいるのではないだろうか。そんな回覧板が、時代とともに変化しているという。

街の皆さんは、今も回覧板使っているのだろうか。
10代男性:
小さい頃に隣の家に回したことあります。最近は回覧板自体が無いかな。
10代女性:
ないです、全く。回したことも見たことも無いです。
20代女性:
私の家はないが、祖父母の家に来た回覧板を回したことがある。そのときはすごく新鮮だった。回覧板を回すというのが。
若い世代は馴染みが薄いようだが、地域によっては今も回覧板を使っているという方もいた。

80代女性:
よく回覧板回ってくる。隣の家に読み終わったら判を押して渡すようにしている。読み終わって判を押したら、すぐ。みんなお仕事して(家に)いないから、ポストに入れておく。

そんな中、町会や自治会運営の活性化や効率化を図り、負担を減らすことで、幅広い世代にも加入してもらおうと、回覧板や会費の徴収のデジタル化にかかる費用を東京都が全額助成する取り組みを始めた。

電子回覧板を用いた情報の伝達と共有やQRコード決済を活用した町会費のデジタル徴収を支援するという。
2025年度は試験的な取り組みで8月29日が申請の期限となっている。

街の皆さんは「デジタル回覧板」について、どう感じているのだろうか。
70代女性:
私はスマホがいい。スマホ見てOKなら、それでいいと思います。区役所は一生懸命やってますけど、あまり周知してないところもある。
20代女性:
電子化してくれた方が子どもとか気軽に家族一体で見られるんじゃないかなと思う。電子化の方が絶対にいい。
一方、今まで通り、紙の回覧板がいいという人もいる。
70代女性:
年寄りがいるので電話の詐欺とか、こういう電話は怪しいのでとか。古い団地なので、年配の方が多いんですよ。だからそういった面でも回覧板の方が(良い)。スマホとか使いこなせない。

10代男性:
周りの家の人との関わりって大事だと思うので、スマホですぐに見られるよりは自分で回したりする方が大事だと思う。
実際に「デジタル回覧板」を導入している町会は、どう感じているのか。
東京都豊島区の上池袋町会では、紙の回覧板を残しながら、2023年からLINEの公式アカウントを立ち上げて電子回覧板をスタートさせた。
地元のお祭りのお知らせなどもスマホで確認できる。
広報部長・加藤さん:
町会活動自体知らないので、知らない方に正確な情報をいかにして届けるかが大事。町会員以外の方でも回覧板が見られるという環境を作ることを一つの目的としてやっています。
デジタルの回覧板を導入するメリットとは?
広報部長・加藤さん:
電子版の場合は若い方が参加しやすいというか、今まで回覧板が届いてない方にも、デジタルだと届けることができる。家にいても見られるし、タイムリーに必要な情報を届けるところ。
一方で、紙の回覧板も残している理由は何なのか。
広報部長・加藤さん:
紙の場合は届けるときにピンポンしなくてもポストに入れたりする。1~2カ月回覧板が止まれば、当然前の人が止めてしまっていて、何かあったかなという、心配にもなりますし、コミュニケーションの一部が紙の回覧板のいいところだと思う。
今回導入される都の助成により町会費のデジタル徴収などが進めやすくなるのではないかと期待しているという。
都の担当者は電子回覧板の助成金の申請について、現段階で「そこまで集まっていない」としている。
回覧板の形が今後どうなっていくのか注目される。
(イット!8月26日放送より)