秋に向けて果物のおいしい時期になってきましたが、今年の猛暑は生育にどのような影響を与えているのでしょうか。取材しました。
今月10日に出荷が始まった呉羽梨「幸水」。
21日も直売所には多くの人が訪れていました。
今年の幸水は実が大きくなる7月に少雨と猛暑となった影響で、例年に比べてひと回りほどサイズが小さくなっています。
一方で日照時間は多かったため、糖度は上がり、去年より1度ほど高く平均で13度を越えています。
(高温少雨の対策として7月に朝夕スプリンクラーを回して、木の根に水が行くように栽培の工夫もした)
*呉羽梨選果場 沖村三彦管理部長
「日焼けした果実は最初の頃はあったが、出荷が進むにつれてなくなってきている。小ぶりだが雨が少ない分、糖度は高いのでおいしく食べていただける」
一方、今月上旬から収穫が始まった「やまふじぶどう園」
ワイン用のブドウを含めおよそ40種類のブドウを栽培しています。
猛暑の影響は?
*やまふじぶどう園五代目 山藤亮介さん
「ハウスの中は真ん中が暑くて熱がこもるので病気が出たりするのでハウスの上を開けて風を通す工夫をした。(影響は)少しはあったが、甘さが濃縮して最高の出来となった」
この晴天続きで普段は赤くならないクイーンニーナという品種のブドウは今までで最高の色づきになったということです。
一方で、農家を悩ませるのは天候だけではありません。
「下に落ちているのがイノシシが食べた跡、上の方はハクビシン」
Q一粒も残してないですね?
「きれいに食べちゃうんです」
こちらは今週末から収穫が始まるシャインマスカット。
ここ数年、ハクビシンやイノシシなどに食べられる被害が出ていると言います。
仕掛けたワナにはハクビシンが入っていました。
そのため、このぶどう園では100万円をかけて動物が入ってこないように柵を設置しました。
*やまふじぶどう園五代目 山藤亮介さん
「これはイノシシ除けで1m80cmくらいのメッシュを一面に貼っている」
Q今年は動物の被害は?
*やまふじぶどう園五代目 山藤亮介さん
「多い。年々増えていて対応に追われている」
「一生懸命作っているがそれを食べてしまう。辛いですよ」
専門家によりますと、動物の出現は暑さによるものではなく、山にあるエサよりもおいしい果物に引き寄せられているのではないかということです。