イット!青井キャスター:
7月の参院選の投票前に連日お伝えした『もっと投票の前に』の投票後の話「もっと投票の後も」と題して、選挙の争点の1つとなった各党の物価対策の公約、消費税の減税や給付金のその後を、1カ月の節目ということで見ていきます。

イット!宮司キャスター:
参院選の結果ですが、少数与党である自民党・公明党が大敗し参議院も過半数割れ。国民民主党と参政党が躍進、その一方で、立憲民主党・日本維新の会は伸び悩みとなりました。

そこから1カ月がたち、自民党では石破おろしの動きが起きたり、参政党への賛否の声が拡大しました。さらに維新は執行部交代することもありました。

“政局”については大きな動きがあった一方で、なかなか“政策”については動きが見えない部分もあります。
街の人に話を聞くと…

20代女性(立憲に投票):
「理由はよくよく考えてなかったけど『減税』って言葉が目立ってた。実現難しいけど頑張れって思う、結果出して欲しい」
「(自民の給付金政策は)目先の2万円だったのでそれはどうせ釣りなんじゃない?って思ってたので。実現何らかの理由をつけてしないんじゃないかなって思います」

20代女性(国民に投票)
「(若者の)資産を上げる夏みたいなやつだったと思うが、バックアップしてくれるのかなっと思って入れた。意識はしてるんでしょうけどまだそこに手がかかってない…っていう感じ」

60代男性(立憲に投票):
「(消費減税の議論は)停滞してると思います。なにも全然・・・1カ月経っても進んでないので」

青井キャスター:
たしかに参院選前は選挙演説などで各党、給付金や消費減税をいろんな話がありましたよね。

宮司キャスター:
街頭演説での物価対策を巡る発言、改めて振り返ります。

自民・石破総裁:
「困った方々に重点的にお払いをする、それが給付金であって、決して、ばらまきでも何でもありません」

立憲・野田代表:
「他の野党とは違います・責任ある減税を実現していくのは立憲民主党であると」

国民・玉木代表:
「納税者の皆さんに 減税でお返しするのが筋じゃないですか皆さん!」

参政・神谷代表:
「インボイスとともに消費税を1回ゼロにする。これをみなさんとともにやりたい!」

宮司キャスター:
街の声にもあった消費減税や給付金、各党が掲げていた公約を振り返ると、野党はすべて消費税の減税や廃止を訴え勝利し、与党を過半数に追い込んだワケです。
それでも消費税をめぐる動きは具体的になっていませんし、逆に与党の給付金の話も実現は見通せない状況です。

実際にこの1カ月間を見ても、自民党の給付金について石破首相は国会で「公約にしたが十分に理解されたとは思っていない」と答弁。
消費減税を巡っての自民党と立憲民主党の協議は、幹部の接触はあるものの、具体的には進んでいません。
国民民主党の玉木代表は、退陣論が出ている石破首相との議論に疑問を呈し、消費税のことは質問しませんでした。
さらに同じく躍進した参政党の神谷代表も、トランプ関税の質問に時間を割き、用意していた消費税の質問は時間切れでできませんでした。

青井キャスター:
確かに、トランプ関税などニュースでお伝えするなかで、参院選前と比べると給付や減税の話は少しトーンダウンしているかなという印象はありました。

宮司キャスター:
消費税をめぐって議論が進まない状況について、日本政治外交史が専門の中央大学・中北浩爾(なかきた・こうじ)教授は「短い臨時国会だけでは各党の足並みがそろわない。
時間がかかりすぐにできないから各党議論を“先送り”していた」ということです。

青井キャスター:
ガソリンの暫定税率を巡っては選挙後、与野党合意するなど成立に向けて動き出しているけれど、消費減税を巡っては このまま先送りされるのでしょうか?

宮司キャスター:
1カ月しかたっていないとはいえ、本当に給付金、そして消費税の減税をやる気があるのか?キーマンになる3人を直撃しました。

●自民・森山幹事長(19日):
Q現金給付についてまだ具体化が進んでいない状況だと思いますがこれをいつどのように実現しますか? 
「政調を中心にその協議が進んでいると理解をしております」

●立憲・小川幹事長(20日)
Q消費税の減税について、どのように実現を図っていくか?
「ガソリン税の減税と合わせて、この消費減税についても、すでに野党内では政調会長同士で、話題にあがっています。ちょっとそれぞれの考え方にまだまだ隔たりがありますので、なかなか容易ではないと思ってるんですが、そこに至れるように全力を挙げたいと思っています」

●国民・玉木代表(19日)
Q今後いつまでにどのように実現するのか見通しをお聞かせください
「各党言っているんですが、その目的、対象、期間、いずれも幅があるんですね。その中で何を共通してできるんだということについて合意形成することがまずは秋の臨時国会までに必要だろうと。場合によってはもう少し長引いて年内になるかもしれない」

宮司キャスター:
玉木代表はこうも話しています。
「各党の合意が年末の税制改正までには何らかの合意がないと、結局どういう減税をするのかということが定まらない。仮に年内に合意できれば 来年の通常国会に提出して法案成立を目指す。そういった順番とか段階になっていくのかなと思っています」
ということでした。

青井キャスター:
野党全てが合意しないと、少数与党とは言え国会を通せない。実現度ですよね。

宮司キャスター:
中北教授はその実現度について「今の政局では給付・減税ともに全く分からない。できないかもしれない」ということでした。
与野党共通の理由として「それぞれの主張を一本にまとめる“着地点”が見えない」と話していました。さらにこういった状況について、「参院選でこの政策がいいと投票した国民は多いと思うが、その政策を実現するための安定した枠組みがどう構築されるかということも念頭において今後の政治を見ていくことが重要」ということでした。

さらには「選挙で掲げた政策がどうなっていくか、メディアも継続的にウォッチしていくことが重要。選挙が終わったら言うことが変わる政党もある中、政策が今どうなっているか、各党がどう取り組んでいるかを継続的に見ることは次の投票行動につながる。メディアもその材料を提供してほしい」と話していました。

イット!
イット!

知りたかったことが分かれば、きっと明日が楽しくなる。
知らなかったことが分かれば、きっと誰かに話したくなる。
「明日も頑張ろう」と思えるそのささやかな力になれればと今日もニュースをお届けします。
フジテレビ報道局が制作する夕方のニュース番組。毎週・月曜〜金曜日午後3時45分より放送中。青井実と宮司愛海が最新ニュースを丁寧にお伝えします。