参院選で自民党が敗北し、2万円給付の行方に不安の声が広がっている。
SNSには「もらえないと困る」など不満の投稿が相次いだ。石破首相は立憲と連携の可能性を示唆したが、専門家は与党だけでは実現困難だと指摘。さらに、野党も減税案で足並みが揃わず、与野党の対立で給付も減税も実現しない懸念があるという。

与党掲げた2万円給付…SNSで不安の声

参院選を受け、政局が緊迫している。そうした中、最大の争点について、SNSなどでは不安の声も広がっているようだ。

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24日のテーマは「与党敗北で2万円給付どうなる?ソレってどうなの」だ。

参院選直前に物価高対策として、自民党が突然掲げた公約。3日、石破首相はこう演説した。

石破首相:
生活苦しい。そういう方々に早く給付金を届けたい。

与党は国民1人当たり、2万円〜4万円の現金給付を訴えた。しかし、自民党は敗北し、衆参両院共に、与党過半数割れになる事態となった。

政局の不安定化、石破首相の退陣論も拡大する中、SNSでは「“給付金なし”とかになるのかな?それは困ります」「子ども2人いて、めちゃくちゃお金がかかります!子どもだけでも給付金欲しい」「給付金もらえると思ってスマホ買い替えたのに…」などの声が相次いだ。

2万円給付の行方について、街のみなさんにも話を聞いた。

30代:
頂けるならとてもありがたい。今育休中なので余計そう思う。

孫:
2万円でお米買える。

80代:
子どもだって言ってるじゃない。2万円くれたらお米買える。配ると言ったんだから、それぐらい実行してもらいたい。

50代:
食洗機が壊れそうだから、(給付金を)充てたかったけど、これだけ大敗して無理じゃない?

30代:
給付金は選挙のために用意されたもので、選挙負けたらないと思っていた。

50代:
矢を放ったわけなので、それは打ち抜いてほしいところ。

様々な声があるが、2万円の給付金はどうなるのだろうか。現代政治に詳しい、法政大学の白鳥教授に話を伺った。

法政大学・白鳥浩教授:
自公だけでは、今の段階では給付金の実施は非常に難しい。立憲も「食卓おうえん給付金」で同じ2万円を給付すると言っている。そのどこかで折り合いがつけば、給付金が実現する可能性がある。

立憲民主党は1人2万円の給付を訴えていて「食料品の消費税0%」が実現するまでの当面の対策という位置づけだ。

21日、石破首相は参院選後の会見で、現金給付を立憲と協力して実現させる可能性を示唆した。

石破首相:
私どもが選挙中に主張してきたことと、そういうものと重なる部分も多々あろうかと考えている。

与党の現金給付に対して、野党各党は減税などを主張している。

法政大学・白鳥浩教授:
自民党も譲歩していくことが必要になってくる。野党の掲げている減税策も、何らかの形で受け入れていく必要があると思う。

専門家「減税案も実現しない可能性も」

青井実キャスター:
金子さん、どう見ますか?

SPキャスター金子恵美さん:
参議院選挙で減税を訴えた政党が躍進したという民意が示されたわけですから、しっかりと向き合ってもらわないといけないですよね。ただ、野党の減税策でもやり方が様々なので、そこが法案で一つにまとめていけるかというのを注目したいところですね。

青井キャスター:
野党はどのような「減税策」を掲げているのでしょうか。立憲民主は原則1年、維新は原則2年と、期間は違いますが、食料品の消費税を0%に。国民民主は時限的な消費税一律5%への減税。躍進した参政党は消費税の段階的な廃止を主張しています。ただ、白鳥教授は野党がバラバラという状況もあり、こんな可能性も指摘しています。

法政大学・白鳥浩教授:
場合によっては給付案について、野党が全員反対し、国会を通らない。減税案も与党が反対し、野党がバラバラで通らない。結局国民にとってあぶ蜂取らずとなる可能性もある。

青井キャスター:
一方で現金給付の公約を掲げた自民党の責任についても、こう話しています。

法政大学・白鳥浩教授:
依然として自民党が比較第1党ということは変わりがない。石破首相が総理を辞任したからといって(公約が)全くゼロになるということはない。(第1党の)責任を果たすというのは、自民党が掲げた政策を実現していくことに他ならないと言っていい。

8月には臨時国会が召集される。最悪のケースにならないよう、民意をしっかり読み取って、国会を運営してもらいたい。
(「イット!」7月24日放送より)

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