プレスリリース配信元:博報堂DYホールディングス
コンテンツ支出額が過去最高の1人当たり8.5万円を記録 リアルイベント市場と音楽ジャンルが牽引、熱心なファンが市場を支える構造が鮮明に
株式会社博報堂DYホールディングスと株式会社博報堂の共同研究プロジェクト「コンテンツビジネスラボ」は、「コンテンツファン消費行動調査2025」を実施し、そのデータをもとにアニメや音楽など全11カテゴリ・計1,700以上のコンテンツに関する、「リーチ力・支出喚起力※ランキング」を算出しました。
また、カテゴリ別調査レポートの販売を開始いたしました。(レポートの詳細は下部の「コンテンツファン消費行動調査2025」カテゴリ別レポート概要をご参照ください)
<調査結果サマリー>
1.コンテンツ支出額は1人当たり85,137円(前年比+6,034円)と過去最高額を更新。リアルイベント市場と音楽ジャンルが支出を牽引。
2.コンテンツ支出者数自体は減少も、熱心なファン層による1人あたりの支出増が市場を支える。
3.『Mrs. GREEN APPLE』が「リーチカ」5位、「支出喚起力」11位と両ランキングで躍進し、ファン拡大と収益化の両立を実現。
<調査結果詳細>
■コンテンツへの支出額は過去最高に
生活者のコンテンツへの支出金額は85,137円(前年比+6,034円)と、2011年の調査開始以来、過去最高を記録しました。コロナ禍で落ち込んだところから、2023年調査以降3年連続の上昇となり、エンターテインメント市場の本格的な盛り上がりを示しています。
■牽引するリアルイベント市場と音楽ジャンル
市場カテゴリごとに見ると、これまでも拡大を続けていたリアルイベント市場の伸びがさらに著しく、推定市場規模は1兆2,596億円(前年比+22%)に達しました。また、前年調査で大幅に拡大した関連グッズ市場(7,106億円)やデジタルコンテンツ市場(4,827億円)も引き続き高い水準です。
コンテンツジャンルごとに見ると、音楽ジャンルが最大の市場規模(8,005億円)で、全体の支出増を牽引しています。特に、コンサートや音楽フェスティバルなどのリアルイベント市場(3,122億円)は調査開始以来2番目の高水準となったほか、デジタルコンテンツ市場(920億円)は過去最高を記録。関連グッズ市場(747億円)も高水準を維持しており、調査全体のトレンドを象徴する形で市場を押し上げています。
生活者は動画サイトやサブスクリプションサービスといったデジタルの場で映像や音楽を楽しんでコンテンツと接触すると、コンサートや展示イベント、ロケ地への旅行など、リアルでもコンテンツを体験し、支出もする機会が増えています。
コンテンツホルダーにとっては、リアルとデジタル両方でコンテンツの利用・体験の機会を積極的につくりながらグッズ販売といったコンテンツの周辺でも収益機会を得られるチャンスが続いていると言えそうです。
■コンテンツに支出する人数は減少
コンテンツへの1人あたりの支出金額が伸びる一方で、支出する人数は減少しています。
コロナ禍の影響を受ける前の2019年調査から最新の2025年調査までの、コンテンツジャンルごとの支出層の推計人数の推移をみると、ほとんどのジャンルで減少傾向にあることがわかります。
このうち、現在のコンテンツ市場全体の拡大を牽引する音楽ジャンルでも、2025年と2019年の支出層を比べると、リアルイベント市場で648万人減少(2019年比-37.1%)、関連グッズ市場で188万人減少(同-26.6%)と大きく減少しています。
支出層の人数が減少する一方で、1人あたりの支出金額が増えていることから、特定のコンテンツを深く愛し、ライブやグッズなどに支出する熱心なファンが存在するものの、コンテンツにお金を払う顧客の数自体は必ずしも増えてはいないということが見て取れます。
近年、デジタル上での発信が当たり前になったことで、広くコンテンツと接触する機会が生まれている一方で、あらゆるコンテンツが無料で楽しめる環境にもなっています。また、デジタル上での履歴をもとにおすすめされるコンテンツを中心に消費する傾向も強まっています。自分の今の好みの少し外にあるようなコンテンツ、ジャンルの違うコンテンツを楽しむことが減ったことが、支出層減少の背景にあると推察されます。
今後、コンテンツホルダーにとって、新規の顧客、新たなコンテンツファンを増やすことも、重要になってきています。
■躍進した『Mrs. GREEN APPLE』
どれだけ多くの生活者に接触できているかを示す「リーチ力」と、ファンに支出を促す力を示す「支出喚起力」のランキングの両方でトップ20位までにランクインしたのは、前年調査に続き『鬼滅の刃』、『名探偵コナン』、『ONE PIECE』、『ポケットモンスター』の4つでした。いずれもテレビアニメや映画などで生活者に広くリーチしながら、ゲームやグッズなどファンの支出機会も多く持ち、長く人気を博しているコンテンツです。
そうした中、躍進したのが、『Mrs. GREEN APPLE』です。『Mrs. GREEN APPLE』は「リーチ力」ランキングでは5位(前年18位)、「支出喚起力」ランキングでは11位(前年トップ20位圏外)と、初めて両方でランクインしました。音楽アーティストで両方にランクインしたのは2022年調査の『嵐』以来です。
本調査で『Mrs. GREEN APPLE』のコンテンツを利用したと答えた人の音楽ジャンルでの支出項目を見ると、回答者全体と比べてライブの配信やファンクラブといった項目への支出が目立ち、楽曲そのものだけでなく幅広くコンテンツに関連した支出をしていることがわかります。2024年は高い頻度で新曲を発表し、サブスクリプションサービス上で実際の視聴やファンを増やしながら、コンサートや音楽フェス、その配信などで広く収益を得られたようです。
調査結果を通して、コンテンツへの一人当たりの支出金額が上がる一方で支出する人数が減っているという課題を挙げましたが、『Mrs. GREEN APPLE』はファンを増やしながら、支出金額も増やした好例といえそうです。
※リーチ力・支出喚起力:企業のコンテンツ活用を促進するために、コンテンツビジネスラボが開発した独自指標のこと。
・リーチ力:そのコンテンツが一年間に到達できる人数を表す指標。コンテンツの力を活かして幅広い生活者に自社商品やサービスを知らせる際に参照。この指標が高いと、キャラクタータイアップ・CM への起用・PR などの活用に向いている。
・支出喚起力:コアファンによる、年間の関連市場規模の指標。自社の商品やサービスそのものにコンテンツを組み込んだオリジナルの企画を開発し、コンテンツファンの実際の購買を目的とする際に、どのくらいの売上規模が見込めるかを推計することができる。
■調査概要
・調査名称:コンテンツファン消費行動調査2025
・調査方法:インターネット調査
・調査地区/対象者:全国15~69歳の男女 (全国7エリアを性年代別人口構成比で割付)
・有効回収サンプル数:10,000サンプル
・調査時期:2025年2月25日(火)~3月13日(木)
・調査機関:QO株式会社
※全11カテゴリ:「ドラマ・バラエティ」「アニメ・特撮」「マンガ・ライトノベル」「小説」「映画」「音楽」「ゲーム」「美術展・博覧会」「スポーツ」「レジャー施設・イベント」「特定のタレント・人物」
■調査の特徴
・コンテンツファンの行動を、「興味」「利用」「支出」「ファン」の4行動に分類し把握
・「誰が」「何に」「いくら」支出しているかを分析したリアルなデータ
・全国7エリアを性年代人口構成比で割付した調査設計により、市場規模の推計が可能
・支出喚起力は、各カテゴリのファン上位 5 コンテンツのカテゴリの計でファン推計人口30万人以上かつ、支出n数=10以上のみ掲載
・既存の各業界団体別の出荷/売上データからは把握できなかった支出項目も捕捉
・シングルソースデータのためコンテンツのジャンルをまたいだファン行動が明らかに
・どんな機器やサービスを使っているか等のコンテンツ利用環境とのクロスデータも算出可能
・コンテンツファンの行動だけでなく、意識・価値観、コンテンツ以外のサービス購入・関心も聴
■「コンテンツファン消費行動調査2025」カテゴリ別レポート
コンテンツファン消費行動調査で11カテゴリ別に分析した、市場トレンド概要レポートをご提供しています。前述のリーチ力・支出喚起力ランキングデータはもちろん、各カテゴリの利用層・支出層のボリュームやコンテンツに対するお金の使い方など、コンテンツ市場の概況を把握することができます。
カテゴリ別の有料レポートのほか、無料サンプルレポートもご提供しています。下記専用ページよりお申込みください。
▼ビジネス情報ポータルサイト「WizBiz」内 博報堂コンテンツファン消費行動調査ページ
https://contents.wizbiz.org/
(コンテンツファン消費行動調査レポートイメージ図)
■追加分析サービス
追加のサービスとして、博報堂DYグループ内の分析ツール「STRATEGY BLOOM CONTENT」を用いて、ファンの詳細な性年代属性・ライフステージや、人数のボリューム、支出金額などの情報を詳細に分析し、ご提供しています。
直近一年間に購入した耐久財やサービス、保有デバイス・利用しているネットサービス・よく利用するメディア、週一回以上訪れる店舗など、ファンのコンテンツ利用以外の行動を組み合わせた分析ができるほか、バブルチャートなどのグラフで可視化しながらコンテンツ間の比較も可能です。
「リーチ力・支出喚起力ランキング」とあわせて活用することで、コンテンツのポテンシャルと、その具体的な活用方法が明らかになります。
コンテンツビジネスラボでは、本サービスによって、「コンテンツ」「ファン」「企業活動」の3者を効果的に結び付け、コンテンツビジネス活性化に向けて支援をしていきます。
▼STRATEGY BLOOM CONTENTについてのプレスリリース
https://www.hakuhodody-holdings.co.jp/news/corporate/2025/05/5470.html
(プロファイリングシート、バブルチャート)
詳しい追加分析をご希望の企業様には、勉強会も行っています。
追加分析サービス、勉強会などに関するお問い合わせは、下記の窓口までお問い合わせください。
※お取引のある企業様につきましては、担当営業にお申しつけください。
■追加分析サービス・勉強会に関するお問い合わせ
コンテンツビジネスラボ担当窓口
株式会社博報堂DYホールディングス マーケティング・テクノロジー・センター 三浦・和田
メールアドレス:cbl-contact@hakuhodo.co.jp
■コンテンツビジネスラボ
独自調査「コンテンツファン消費行動調査」の知見をもとに、近年企業のニーズが高まっているコンテンツを起点とした広告やビジネス設計の支援を行う専門チーム。独自のヒット研究やデータ解析を通して、企業やコンテンツホルダーが実施するコンテンツを起点とした広告コミュニケーションの設計支援や、新規事業・サービス展開のマーケティング支援等を行っている。博報堂DYホールディングスのナレッジ開発職、博報堂のマーケティングプラナー、コンテンツプロデュースの専門家などで構成されるメンバーは、スポーツ、ドラマ、アニメ、ゲーム、音楽など、さまざまなカテゴリの熱心な ファンでもあり、コンテンツに対する豊富な知見と情熱を有している。
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