まだまだ暑い昨今、すでに”秋の味覚”と言われるサンマが出回り始めた。 近年、不漁が続いていたが、例年より豊漁で身が大きく脂がのっていて、『奇跡のサンマ』と呼ばれている。その理由は、海水温の上昇でエサのプランクトンが多くなったことなどだ。一方で、この猛暑の影響で値上がりした魚もあり…。

味よし!量よし!値段よし!2025年のサンマが登場

東京都内の飲食店を取材したところ 店内は早くも”秋の味覚”で賑わっていた。

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店員が「 サンマ定食です」と配膳すると、客は「うわ!すごっ!」などと驚いた。

塩を振って炭火で焼くのは、 北海道・根室産の新鮮なサンマ。したたる脂が食欲をそそる。

食べた客たちは「美味しいです。 脂のっていて子供も好きで、今年初めて食べました」「美味しかった」「すごいジューシー。 結構サンマって秋のイメージで、もうなんか食えるぞ… みたいな嬉しさの方がでかい感じ」などと話した。

嬉しいことに、2025年の仕入れ値は例年の半値。 店は味にも太鼓判を押す。

漁師のあぶり家 江古田店 会田弘オーナー:
 本当やっぱり脂がのってるって感じしますね。 ここ数年来ないような感じのいいサンマですね。私も昨日食べましたけど、やっぱ美味しいですね。これから豊漁だと思うので、もっと安くなるんじゃないかなとは思います。

庶民の味だったはずが、近年は不良続きで、いわば高級魚になっていたサンマ。

根室・花咲港では2024年サンマの水揚げが大幅増
根室・花咲港では2024年サンマの水揚げが大幅増

しかし、サンマの水揚げ量日本一を誇る北海道根室市の花咲港では、2024年の初水揚げ量が、2023年と比べ140倍に増加した。

そして、2025年も根室での水揚げは、好調だといい、サイズも例年より大きいという。

東北・みちのくにもサンマがやってきた

宮城・仙台市にも、根室で水揚げされたサンマが入荷した。

仙台放送・平井瑠悦記者:
本格的なシーズンを迎えた 秋の味覚サンマ。  今年はサイズが大きく、脂のりが良いものが多く入荷したということです。

2025年は海水温の上昇により、餌のプランクトンが多かったことなどから10年ぶりにサイズが大きく、脂ののりもいいという。

仙台水産遠海部 本郷淳部長:
私たちから見れば「奇跡のサンマ」と言えるぐらい、大きいサイズのサンマが入ったと思っております。 脂がのっている美味しいサンマだと思います。

左:2022年 右:2025年 右の方が一目瞭然で大きい
左:2022年 右:2025年 右の方が一目瞭然で大きい

北海道で揚がったサンマは、福島県いわき市にも入荷。3年前のものと比べてみると 2025年の方が一回り大きいのがわかる。

都内の鮮魚店では、北海道産の新さんまが一匹410円で、並んでいた。

買い物客は「早いよね。 まあ、僕、今年は初めてだな。 今シーズンは期待してるんだけどね。 どうだろうね。 おいしいといいね」

魚屋シュン 渡部博店長:
すごくふっくらしてね。 脂のってますよ。 2024年なんかと比べてもかなり安いですよ。 2割から3割安いですよね。

お得なサンマの一方で、値上がりする魚も…

サンマが安くなっている一方で、値上がりしている魚もあるという。

養殖のブリが値上がりしているという
養殖のブリが値上がりしているという

魚屋シュン 渡部博店長:
こちらの 天然のブリなんですけど、養殖ではないんですけど、養殖は高くて置けないんですよ。 養殖のブリはすごく高いですよね。

養殖のブリが高騰しているのは日本列島を襲う猛暑の影響だ。

これは、高知県にあるブリの養殖場で、撮影された映像。 網の中で白くなっているのは、すべて死んでしまった魚という。

原因は猛暑による海水温の上昇。その影響で、身割れや火傷をしたブリは出荷できないという。

海水温の上昇で大きく育ったサンマとは対照的に、養殖ブリには深刻な影響が及んでいた。

(「イット!」8月19日放送より)

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