老舗カミソリメーカーが開発した「究極の耳毛抜き」が人気

40歳前後から目立ち始めるという「耳毛」。

身だしなみを整えるためにも処理したいが、鏡を見ながら処理ができる鼻毛に比べ、処理が難しいとされている。また、適切な処理方法は確立されておらず、耳毛が伸びて処理に困っている中高年も多いという。耳毛が伸び放題の高齢者を見たことがある人もいると思うが、加齢に伴い手入れが必要なようだ。

こうした中、刃物のまち・岐阜県関市の老舗カミソリメーカー「ニッケンかみそり」が2年がかりで「究極の耳毛抜き」を開発。
2018年に販売を開始し、累計販売本数は8000本を突破するなど人気となっているのだ。

提供:ニッケンかみそり
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最大の特徴は「バネで毛を抜くこと」

「究極の耳毛抜き」は、一般的な毛抜きと何が違うのか?

最大の特徴は「バネで毛を抜くこと」だ。

ニッケンかみそりHP
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一般的な毛抜きでは、毛と接するのは先端部分だけのため、ピンポイントに、毛を捉える必要がある。

これに対し、「究極の耳毛抜き」は、バネの複数面で毛を捉えるため、毛の捉えやすさが格段に向上。1回で複数の毛を同時に捉えることも可能にした。

ニッケンかみそりHP
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毛をつかむ力が逃げないよう「バネの形」も一工夫

このバネの形にも工夫が施されている。

一般的なバネは断面が丸く、バネとバネが“点”で接するため、毛をつかんだ際に力が逃げやすい。これに対し、「究極の耳毛抜き」に使用されたバネは、断面が四角になっている特注の「平バネ」。

断面を四角にすることで、バネとバネが接する部分が増え、毛をつかんだ際に力が逃げにくくなっている。

ニッケンかみそりHP
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ただし、使い方には少しだけ注意が必要とのこと。

「究極の耳毛抜き」は、耳の表面に出た、目立つ毛を処理するための道具。

耳の穴の中に生えている毛の処理は、炎症の恐れがあるため、「絶対におやめください」と注意喚起している。

ニッケンかみそりHP
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1本3300円(税込み)でアマゾンや東急ハンズなどで販売している、この「究極の耳毛抜き」。

そもそも、どのようなきっかけで開発が始まったのか?また、“究極”に辿りつくまでにはどのような試行錯誤があったのか?そして、主にどのような人が買っているのか?

ニッケンかみそりの担当者に話を聞いた。

きっかけは40代社員の悩み

――開発のきっかけは?

40代の社員の悩みがきっかけです。

「世の中には耳毛を気にしている人がいる」という話を聞いた40代の社員が、試しに自分の耳をマイクロスコープでのぞいてみたところ、予想以上に耳毛が伸びていたようなんです。
その社員は耳毛をどうやって抜けばよいのか、抜き方に悩み、それが開発につながりました。


――開発に着手したのはいつ?

2016年からです。開発に着手した後、やはり開発を進めるには一定数の市場があるか、調査を進めました。

その結果、同様の悩みは主に40~50代男性を中心に存在していると分かり、開発を進める意欲が高まりました。


――商品化するまでには何年かかったのでしょう?

約2年です。
 

試行錯誤から生まれた「毛抜きとバネを組み合わせた」構造

――どのような試行錯誤を経て、“究極”に辿り着いた?

最初は自社の強みを生かした「耳毛用かみそり」を開発しようと試みました。

弊社ではこれまでより安全に剃ることを目的とした「セーフティガード」の開発、鼻に入れても安全性が高いかみそりタイプの「鼻毛カッター」を開発した、経験・技術を生かし、開発を進めました。

まずは安全性が確保できるまで、社内モニターを繰り返しました。しかし、たどり着いた答えは「刃を耳に近づける恐怖心がぬぐえない」でした。開発を断念するか悩んでいたところ、一旦、「かみそり」以外の道具だったらと考えを改めました。


――「かみそり」以外の道具というのは?

そこで浮上したのが「毛抜き」でした。これは「安心感」の高さが決め手でした。ベースを「毛抜き」としてからは、独自性のあるアイデアの検討を進めました。

その結果、「耳毛は目視できない」「目視できないから処理が難しい」ことに着目しました。

そこから生まれたアイデアが「毛抜きとバネを組み合わせた」構造です。従来の毛抜きは毛を捉える“接地面”が少ないので、目視できない耳毛の処理が難しいと分かりました。それを解決するため、バネなら、バネとバネの間の複数面の分だけ“接地面”ができ、毛が捉えやすくなるのではと考えました。

また、うまくつかめば、複数の毛を捉えることができ、処理も簡単になります。

提供:ニッケンかみそり
提供:ニッケンかみそり

こだわったのは「バネやピンセットの形状」

――開発でとくに苦労した点は?

バネは大きな力で圧縮すると「座屈」というバネの形が崩れてしまう現象が起こります。通常のバネをピンセットに着けても、「座屈」して使い物になりませんでした。

「座屈」せず、毛を抜くための力をかけられるバネを探すのに時間がかかりました。


――とくにこだわった点は?

「座屈」しにくいバネでありながら、毛をしっかりとつかみ、軽い力で抜き取る、という、いくつもの要求に合わせたバネやピンセットの形状にはこだわりました。


――かみそりメーカーとして培ってきた技術はどういった点に生かされている?

かみそりメーカーであり、「きれい」を作るメーカーでありたいと考えています。
当社の「新しい耳毛処理」という企画力と、優れた刃物・毛抜きを作り出す関市の企業、特殊な溶接に協力いただいた企業、これらのネットワークが耳毛抜きに活かされています。
 

購入しているのは40代、50代の男性

――販売後の反響は?

正直、良い意味で想定外でした。「こういう商品がほしかった」という応援コメントがやはりうれしかったです。


――これまでにどれぐらいの数、売れている?

累計8000本を突破したところです。近いうちに1万本は突破できる見込みです。


―――購入している人で多いのは?

圧倒的に男性で、全体の9割以上です。年齢層は、想定していた通り、40代、50代の方が多く、全体の8割近くです。


――実際に購入した人、使ってみた人からはどのような感想が寄せられている?

長年の悩みが解決できた、見えない部分だけと簡単に抜けた、良い商品を見つけた、などの声をいただいています。

これらは実際にこだわった点ですので、大変ありがたい感想です。

提供:ニッケンかみそり
提供:ニッケンかみそり

――最後に耳毛の処理に困っている人にメッセージを!

「なかなか良い処理方法がなく困っている」「耳毛は処理したいけど、人に頼まず、一人でそっと処理したい」というような方に使っていただきたい商品です。

また、困っている声、使っていただいた方は率直な感想をお寄せください。現状商品で満足せず、それらの声を商品改善につなげていきたいと考えています。

 

実はうまく処理できずに悩んでいる中高年が多いという「耳毛」。良い処理方法が見つかっていないという方は、老舗カミソリメーカーが試行錯誤の末に完成させた「究極の耳毛抜き」を使ってみてはいかがだろうか。
 

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記事 4712 プライムオンライン編集部

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