鹿児島県霧島市牧園町の天降川沿いに位置し、明治から続く温泉街・妙見温泉では、土砂の流入や建物の損壊など施設によって様々な被害が出ています。
夏休みの繁忙期に直撃した大雨被害は、施設によって異なる悩みを抱えているようです。
霧島市牧園町宿窪田の妙見温泉。
7日からの大雨で川が氾濫、多くの施設が被害を受けました。
そのうちのひとつ、田島本館では温泉浴場と、隣接する駐車場に土砂が流入。
現在は宿泊客の受け入れを停止しているということです。
田島本館・榎並直子支配人
「ここは(泥が)埋まる感じ。泥の上がり方が全然違って掃除が大変だった」
こちらは土砂が流れ込んだ浴場の写真です。
12日までに土砂を撤去し、消毒作業を終えたものの、2つある浴槽のうち、1つに温泉を供給する配管が流されてしまい、復旧のめどは立っていないそうです。
駐車場にも、一夜にして大量の土砂が流れ込んだといいます。
田島本館・榎並直子支配人
「水と電気は来たがテレビとインターネット、電話が今も通じないのでお客様との連絡が取れない。いつも当たり前のように使っていたものが使えない(不便さを)身をもって知った」
田島本館では土砂が流入した場所の清掃はほとんど終え、お盆明けの再開を目指しています。
一方、湯治の宿・妙見館では川に面したガラスが割れ、川の水や土砂が地下の大浴場に流れこみました。
土砂の撤去は13日までに完了していて、今後は消毒作業を行った上で今週中にも大浴場の利用を再開する予定です。
実は妙見館では7月、増築した新館をオープンしたばかり。
川の増水を想定した設計で、そちらに大きな被害はなかったそうです。
湯治の宿妙見館・橘翔士代表
「度々、増水する川なので1階部分は高さを上げて設計したので、今回も全く影響はなく想定内だった」
地下に土砂が流入した本館も1階の大浴場が問題なく使えることから、通常営業を行っていますが、大雨の報道を受けて、あわせて200泊分の予約がキャンセルに。
大きな損失が出たということです。
湯治の宿妙見館・橘翔士代表
「8日の発生からキャンセルが相次いでいて、お盆のシーズンだが数件しか入っていない」
妙見温泉という限られた範囲でも施設ごとに異なる被害。
それぞれの施設ごとに復旧までの道筋も異なる中、私たちにできる支援のあり方も変わってきそうです。