兵庫県知事の疑惑を調査し、誹謗中傷を受けて自ら命を絶った、元・兵庫県議会議員の妻が、NHK党の立花党首を刑事告訴しました。

■「反論することのできない死者を愚弄」竹内さんの妻は悔しさをにじませる

【竹内英明元県議の妻】「反論することのできない死者を愚弄し、蔑み、死してなお辱めを与える。悲しみの底に沈みもがき苦しむ私たち遺族にとって、このような堪え難い地獄があるでしょうか」

記者会見で悔しさをにじませながら話したのは元兵庫県議の竹内英明さん(当時50歳)の妻。

NHK党の立花孝志党首が竹内さんの名誉を棄損したとして、刑事告訴しました。

■百条委員会委員を務めた竹内さん 県議辞職後も誹謗中傷はやまず

竹内県議は去年、兵庫県の百条委員会の委員を務め、斎藤知事のパワハラ問題などを追及していました。

告訴状によると、去年11月の兵庫県知事選挙に斎藤知事を再選させることを掲げて立候補した立花党首は、竹内さんについて「ありもしない噂話をつくった人」などと発言。

さらに「ひとり狙い撃ち、これはいじめの原則。ガーって行くんですよ」などと主張していました。

自宅には、「竹内が黒幕」「責任を取れ」といった電話やFAX、手紙が大量に届くようになり、竹内さんは去年11月、県議を辞職しました。

しかし、議員を辞めても誹謗中傷はやまず、「うつ状態」と診断されていた竹内さんは、ことし1月、自ら命を絶ちました。

■当時の兵庫県警のトップが立花党首の発言を完全否定

その後も立花党首は、YouTubeで「お亡くなりになったといっても自業自得。任意の事情聴取が繰り返されていて、逮捕する予定だった」と述べ、竹内さんの死は自身の責任ではないと主張。

当時の兵庫県警のトップが県議会で完全否定するという異例の対応を取り、立花党首は発言を訂正していました。

【兵庫県警 村井紀之本部長(当時)】「竹内元議員につきましては被疑者として任意の調べをしたことはありません。ましてや逮捕するという話は全くございません。全くの事実無根でありまして、明白な虚偽がSNSで拡散されていることは極めて遺憾である」

しかし、その後も立花党首は、「死んで説明責任を果たさないのはずるい。悪いことしてるから死んでるんやろ」などと、発言。

■『夫の尊厳を守りたい』と竹内さんの妻

竹内さんの妻は、立花党首が竹内さんの名誉を生前だけでなく、死亡後も傷つけたとして、警察に告訴し、受理されました。

【竹内英明元県議の妻】「目に見える傷ではないが、心を傷つけられて、その傷が癒える間もなく次の攻撃が襲ってくる。夫は、自ら望んで命を絶ったのではありません。間違いなく、この兵庫県政の混乱の中で、追い詰められ、孤立し、社会に絶望してこの世を去りました。

『夫の尊厳を守りたい。私は自分の尊厳を守って立ち、残された人生を歩んで行きたい』そう思い、声を上げることを決心しました」

竹内さんが亡くなって、半年が経った今も、現実を受け止められないと語った妻。

一方、告訴された立花党首は、「不起訴になるように努力していきます」とコメントしています。

■「当局にはしっかりと判断してもらいたい」藤井教授

京都大学大学院の藤井聡教授は、「当局にはしっかりと判断してもらいたい」と述べました。

【京都大学大学院藤井聡教授】「法的な対応がアプローチになるわけですが、『死者への名誉毀損』の罪で告訴する。(亡くなる前と亡くなった後も含めた名誉毀損)どちらも訴えるということになったわけですが、事実でないことを人前で喧伝したというだけで成立する名誉棄損罪になる。当局には、しっかりと判断してもらいたいと思います」

(関西テレビ「newsランナー」 2025年8月8日放送)

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