韓国出身の女性が2023年にオープンした長野市の山間部にあるキムチ専門店。定番の白菜だけでなくトマトやさきいかなども並び「本場の味が楽しめる」とファンが増えています。女性にキムチを使ったアレンジレシピも教えてもらいました。


長野市で毎月1回開かれる「善光寺びんずる市」。様々なテントが並ぶ中、人気を集めていたのが―

市内から:
「ネギのキムチと、ハクサイのキムチと。珍しいから、トマト」

ユン・セヨンさん:
「トマト、汁残ったらそうめんとか、混ぜて食べてみてください」

「キムチ専門店」です。


長野市のユン・セヨンさん(46)が手作りのキムチを販売。定番のハクサイのほか、トマトやネギ、何と「さきいか」も。

本格的な味が楽しめると毎回、多くの客が訪れます。

この日は午後2時半ごろ完売。

常連客:
「なんだろ、日本人のちょうどいい感じというのか、食べても、辛っ、って感じじゃなくておいしい」

ウリキムチ ユン・セヨンさん:
「きょうは暑いんですけど、みんないろんな人と出会えることもできるし、お店の宣伝もできるので」


ユンさんのお店は市街地から車で約15分。長野市小鍋の山間部に現れたカラフルな看板が目印。「ウリキムチ」です。

ユン・セヨンさん:
「基本的には白菜キムチと大根のキムチのカクテキとネギキムチ」

店にも「韓国では当たり前」という様々なキムチが並んでいました。


旬のミニトマト。

ユン・セヨンさん:
「トマトの甘味、旬のものを使うので旬の甘味がでる。旬のものを使っているのをうちの店ではやっている」

(記者リポート)
「トマトの甘味にキムチのうま味や辛みがマッチしています。サラダ感覚で食べられる味です」


ユン・セヨンさん:
「さきいかのキムチです。しょっぱい、あとコチュジャンの辛い、砂糖の甘味、食べると楽しいと思う」

(記者リポート)
「甘辛くて、とてもお酒が欲しくなる味です」


韓国・釜山出身のユンさん。20年ほど前に日本に来て家族を作り長野市で暮らしてきました。日本での生活の中で本場・韓国のキムチを広めたいという思いが強くなり、2023年、この場所でキムチ専門店をオープン。参考にしたのが「母の味」です。

ユン・セヨンさん:
「味を思い出しながら作っています。母親が10年前に亡くなっていないので、(帰省するたびに)お父さんに味を確認しながら、何がもうちょっと入ればいいかなとか確認しながら作った」

店は市街地から遠い山間地。まさに「ポツンとキムチ店」です。なぜ、この場所を選んだのでしょうか?

ユン・セヨンさん:
「この木が桜の木で、隣も。毎年サクラがすごくきれいに咲いています」

物件を探していた時にきれいに咲くサクラと景色の良さに一目ぼれしたということです。

ユン・セヨンさん:
「きょうお兄ちゃんは保育園に行ってる?」

客:
「きょうは保育園です」

開店から2年。ユンさんの人柄、山間部にある珍しさ、そして何よりキムチの味で常連客も増えて来ました。

常連客:
「キムチ何でもおいしくて好きなんですけど、さきいかキムチがビールのおつまみに私がすごく好きで、あったら買っちゃう」


そのままでもおいしいキムチですが、ユンさんにおすすめのアレンジレシピを教えてもらいました。人気ナンバーワンというネギのキムチを使って―

ユン・セヨンさん:
「まず豚肉を焼きます」

ネギキムチを焼いた豚バラの薄切り肉で巻くだけの簡単な料理。

(記者リポート)
「豚肉のうま味にキムチの辛さとうま味がマッチして暑さの中でスタミナがつきそうです」

ユン・セヨンさん:
「今はネギを巻いたけどニラキムチでもいいし、ごはんのおかずにぴったりだと思う」


トマトのキムチはこの時期にぴったりのそうめんに合わせて―

ユン・セヨンさん:
「最後はごま油を少し垂らして完成」

(記者リポート)
「ちょっと冷麺風な感じでそうめんをいつもと違った味わいで食べられます。トマトのさわやかさとキムチの辛さがそうめんにマッチしておいしいです」

ユン・セヨンさん:
「この夏これで乗り越えればいいかな」

もう一つおすすめが。それは先日の「びんずる市」で販売した「豚キムチおやき」です。同じ年の子どもがいる縁で市内のおやき店「南屋製菓店」とコラボが実現しました。

白菜のキムチ、豚ひき肉、春雨が入っています。

南屋製菓店・田中正恵さん:
「本格的な辛さのキムチと、素材がとてもおいしいので、合うなと思ってて前からお話ししてたので、今回できてよかったなと」

「豚キムチ」のおやきを購入した客:
「お!豚キムチって思いましたね(笑)。豚キムチでおやきっていう驚きがあったんですけど、出会いですね、これも」
「今、この暑い時に辛いのいいかなと思って買いました。おいしそうです。キムチ大好きなので」

今後は南屋製菓店での販売を検討しています。


本場の味が楽しめるユンさんの店「ウリキムチ」。店の名前の「ウリ」は韓国語で「私たち」を意味します。

ユンさんはキムチを買うだけでなく、おしゃべりしたり、ゆっくり寛げたりできる店を目指しています。

ユン・セヨンさん:
「店に来てくれるお客さんと話しているとこの場所にしてよかったなと思う。2年くらいになってるので(お客さんは)どんどん増えているところなので、これからもがんばってやっていこうと思っている」

長野放送
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