熊本地震からの復旧工事が続く熊本城。宇土櫓の解体工事がこのほど完了し6日、報道陣に公開されました。昭和2年の改修工事で入れられた基礎のコンクリートもすべて撤去され、建物下の地面が約100年ぶりにあらわになりました。
【郡司 琢哉 アナウンサー】
「前回2カ月前にはわずかに残っていたコンクリートの部分が完全に撤去され、地下の土があらわになっています。約100年前工事を始める直前の姿を今見ることができます」
創建当時からの姿をとどめ、第3の天守とも言われる国指定重要文化財の宇土櫓は2016年の熊本地震で柱が折れたり傾きが出るなどして再建のためおととし12月から建物を解体する工事が行われました。
建物がすべて解体されるのは昭和2年、1927年以来 約100年ぶりです。
そして5日、解体工事がすべて終了し昭和2年に再建工事が始まる直前の姿があらわになりました。
解体された瓦は、約2万9000枚、柱や梁などの木の部材は、約5000点でそのうち3割程度は江戸期に加工された可能性があるということです。
また解体時に期待された創建年代の特定につながるものは「見つからなかった」ということです。
【熊本城総合事務所 復旧整備課 上村 祐一 課長】
「この工事につきましては解体、設計、復旧と過程があってまずは安全に解体工事が
終了したことをほっとしているところ。ただ復旧期間は長いので調査を含めて設計を
しっかり取り組んでまいりたい」
熊本城総合事務所によりますと解体工事が完了したことにより毎月1回第2日曜日に行っていた特別公開は8月10日でいったん終了し、再建工事が始まったら定期的な公開を検討するとしています。
今後のスケジュールですが来年度から2年間復旧のための設計が行われ復旧工事は2028年度にスタート。復旧完了は2032年度と予定されています。
400年ほどそこにあった宇土櫓が「ない」という貴重な姿を見られるのは今度の日曜日が最後のチャンスとなりそうです。