広島に原爆が投下され、8月6日で80年。原爆やその後の被爆で亡くなった熊本県関係者を追悼する式典が熊本市で開かれ、核兵器のない世界へ平和の誓いを捧げた。
「被爆したひいおばあちゃんがつないだ命」
80年前の1945年8月6日に広島に原子爆弾が投下された。

熊本市中央区では広島と長崎の原爆やその後の被爆で亡くなった人たちへ祈りを捧げる、熊本県原爆死没者慰霊式が開かれ、被爆者や遺族、木村知事など約700人が出席。水を求めながら亡くなった犠牲者のために水を捧げる『献水』を行い、平和を願った。

被爆4世の藤山はんなさん(16)は「私は被爆した、ひいおばあちゃんからつないでもらった命を無駄にしないためにも、語り継がれた事実を胸に刻み、平和への声を上げ続けることを誓います」と話し、「被爆者の思いを受け継ぎ、若者が声を上げて、平和を守っていきたい」と誓いを捧げた。

熊本県関係の被爆者は2024年までに計2800人が亡くなり、熊本県原爆被害者団体協議会で被爆体験を伝える被爆者や2世の平均年齢は81歳と、高齢化が課題となっている。
「核武装が安上がり」に「悲しいし憤り」
熊本県被団協も参加する日本被団協は核兵器の非人道性や、その廃絶を訴え続けたこれまでの活動が評価され、2024年にノーベル平和賞を受賞している。

一方で、7月の参院選で初当選した参政党の議員が、選挙期間中に「核武装が安上がり」と発言したことについて、熊本県被団協の緒方美保会長(被爆2世)は「この(戦後)80年にしてそんな言葉が出るとは、本当に悲しいし憤りを感じる」と述べた。

また、「何のためのノーベル平和賞だったのか。(「核武装が安上がり」と)新聞に載っていて腹立たしい気持ちでいっぱいだった」と話した。
(テレビ熊本)