被爆80年を迎えた広島で平和を願う祈りが行われる一方で核兵器をめぐって世界情勢は緊迫化を増しています。

被爆者の平均年齢は86歳を超え高齢化と減少が進む中、「被爆の実相」をどう後世に伝えていくのか、大きな課題となっています。

世界ではウクライナ侵攻を続けるロシアが核兵器の使用をほのめかしイスラエルはパレスチナ自治区ガザで攻撃を繰り返しています。

さらにアメリカは6月イランの核施設を攻撃するなど「核兵器のない世界」に逆行する不安定な情勢が続いています。


そんな中、去年被爆者などでつくる全国組織「日本被団協」がノーベル平和賞に選ばれました。

長年、被爆者の声や核兵器廃絶への声を国内外で発信し続けてきたことが評価されました。

原爆資料館の入館者数は増加を続け。
昨年度は226万4543人と過去最多を更新しました。


そうした中、今年3月には核兵器禁止条約の3回目の締約国会議が開かれました。

核兵器禁止条約は開発、実験、保有、使用などあらゆる活動を禁止するものです。

しかし、核保有国は一国も参加しておらず、唯一の被爆国である日本も条約には署名も批准もせず、今年も参加を見送りに…被爆者からは失望や疑問の声が聞かれました。


【被爆者・サーロー節子さん】
「どこの政府よりもこの問題を熟知しているはずの日本が顔を横にして出てこないっていうのは本当に情けないと思います」

核兵器使用の危機がかつてない高まりを見せる中、被爆者が訴え続けてきた核兵器は使われてはならないという「核のタブー」を維持していくために被爆80年となるきょう8月6日は改めて、被爆地ヒロシマを考える1日となります。

テレビ新広島
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