福岡県筑後地方のイチゴ農園などで、農業用ハウス用の銅線が盗まれる事件が多発しています。
その大胆な手口からみえる犯人像を取材しました。
◆記者リポート
「のどかな風景が広がる広川町です。事件の現場となったのは、イチゴを栽培するこちらの農業用ハウスです」
福岡県広川町にあるイチゴ農園。
8月1日の早朝、農園の小林さんが異変に気付きました。
◆イチゴ農園 小林栄一さん
「切断面はここ。バッサリ、『番線カッター』で切ったんだろう」
ハウスの中を囲むように設置していた銅線8本が切断され、盗まれていたのです。
その長さは合わせて100メートル以上。
デリケートなイチゴ栽培には欠かせないハウス内の照明や暖房に使うものですが、9月の植え付けを前にした今の時期は、電源を切った状態でした。
◆イチゴ農園 小林栄一さん
「農機具とか脚立とかはたまに盗まれていたが、銅線は初めて。電気工事代は手出ししないといけない。何十万か必要…」
同様の被害は、そこから5キロほど離れた八女市立花町でも…。
◆記者リポート
「八女市にあるこちらのイチゴ農家でも、このようにハウス内の銅線がバッサリと切られ盗まれました」
約20メートルの銅線10本が同様に切られ、盗まれました。
農園の古賀さんが被害に気付いたのは7月31日。
隣の同業者からの連絡がきっかけでした。
◆イチゴ農園 古賀洋平さん
「(同業の知人から)朝方連絡があって、『自分の農業用ハウスの配線がなくなっている』と、『古賀君も確認した方がいいよ』と。調べたところ、自分の農業用ハウスもなくなっていることに気づいた」
実は、今年5月から8月1日にかけて広川町と八女市の一帯にある果物農園で、同様の被害が13件発生しているのです。
◆イチゴ農園 古賀洋平さん
「防犯カメラは特に対策は何もしていなかった。電気の配線をまさか盗まれるとは思っていなかった」
13件とも現場周辺に防犯カメラの設置はありませんでした。
警察では、換金を目的とした複数人の同一グループによる犯行の疑いもあるとみて捜査を進めています。