原発の廃炉作業などで発生する廃棄物のうち、放射能レベルが極めて低い金属を「クリアランス金属」と呼びます。県内でも原発の廃炉作業が進む中、クリアランス金属をリサイクルする新会社が、1日、敦賀市内で設立されました。
 
設立されたのは、クリアランス金属を収集し再利用につなげる「県原子力リサイクルビジネス準備株式会社」です。
 
この会社は、県や嶺南の6市町、関西電力、日本原電などが共同出資しました。
 
敦賀1号機や高速増殖炉もんじゅなど、廃炉作業が進む7基の原発などから発生する金属類のうち、人体に影響がないとみられる低い放射能レベルのものを収集し、分別や除染、溶融などを行って「クリアランス金属」として再利用できるようにします。
 
初代の社長は、県庁で長年原子力行政に携わってきた来馬克美氏で、「大きな目的の一つは、地域の産業、企業を育てる。あるいはそこと協力して一つの廃炉ビジネスを立ち上げること」と話しました。
 
会社は、来馬社長をはじめ、県職員や関西電力などからの出向者あわせて7人体制でスタートします。今後、工場の建設候補地の地質調査や施設の設計を行い、2027年をめどに国の原子力規制委員会に事業許可を申請する予定です。
 
建設費などを含めた設備投資額は総額220億円で、手続きが順調に進めば2030年代の始めごろの操業開始を見込んでいます。

福井テレビ
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