発熱やせきなどの症状がみられ、乳幼児が感染すると重症化するおそれがあるRSウイルス感染症。夏に流行のピークを迎えますが、新たなワクチンによって感染を予防することができるようになりました。その効果と気になる費用は?

静岡県静岡市葵区の産婦人科。

2児の母・近藤舞弥さん(38)は新たな命を授かり、健診に訪れていました。

赤ちゃんは順調に育っていますが心配の種が…。

それがRSウイルス感染症です。

2歳までにほぼ100%の子供が一度は感染しますが、初めて感染したときは重症化し、入院に至ることも。

特に生後6カ月以内の赤ちゃんや基礎疾患がある場合は重症化しやすいとされています。

近藤さんの6歳になる長男も3歳の時に感染。

症状が重く、1週間の入院を余儀なくされました。

3人目を妊娠・近藤舞弥さん:
咳でつらそうで熱がそんなにないけど息苦しくて夜寝られない

依藤産婦人科医院・依藤崇志 院長:
生後半年未満の子供が感染すると重症化しやすい。感染した方の4人に1人が入院を要していて、集中治療室で治療が必要になることが割とある

こうした中、厚労省は2025年1月に母子免疫ワクチンを承認。

妊婦に接種することでお母さんの体内で抗体がつくられ、生まれたあとの赤ちゃんがRSウイルスで重症化するのを予防する効果が期待されています。

対象となるのは妊娠24~36週の妊婦。

近藤さんはお腹の赤ちゃんを守るため、31週のときにワクチンの接種を決めました。

3人目を妊娠・近藤舞弥さん:
赤ちゃんに注射を打たずにお母さんが注射を打てば、子供にも免疫がいくというのはメリットとして大きい

しかし、ハードルとなるのがその費用。

約3万円を自費で負担する必要があります。

袋井市では2025年4月、接種費用の半分を公費で負担する助成制度を創設しました。

依藤産婦人科医院・依藤崇志 院長:
こういった自治体が増えると、妊婦・子育てする方・生まれてくる子供にとって優しい未来が作れるのでは

生まれたばかりの赤ちゃんを守るワクチン。

“予防”という選択肢が作られたいま、自治体による接種しやすい環境づくりが求められています。

テレビ静岡
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