大阪・関西万博は、大阪府に津波注意報が発令されている中で、通常通りの営業となりました。

博覧会協会は、会場が南海トラフ地震で想定されている津波の高さ3.2メートルよりも5メートル以上高く、安全性が確保されているとして、通常営業を続けました。

しかしこうした情報の発表が、津波の到達予測時刻だった正午よりも遅い、午後0時7分となっていました。

これについて、関西テレビ「newsランナー」で、元大阪府知事・大阪市長の橋下徹さんは「役所内での調整があったと思うが、早く言ったほうがよかった」と指摘しました。

(※2025年7月30日午後5時過ぎ時点の情報に基づく記事です。)

■万博は「大阪府に津波注意報」も通常営業「パークアンドライド」停止に

【記者中継リポート】
「30日午後5時40分時点で、大阪府にも津波注意報が発令されていますが、万博会場は、通常営業で、いつもの平日と同じぐらいの人出が見られました。

来場者の方にお話を聞くと、やはり今日は津波の情報はこまめにチェックをしているという方が多かったです。

また岐阜県から来たご家族は、「地元ではないので、もし仮に避難となった場合、土地勘がないので少し不安だという話をしていました。

ただ通常営業であはありますが、万博会場に船で乗り入れる桟橋は、こちら今日=30日午前10時半以降使用が停止されています。

また、『パークアンドライド駐車場』がある尼崎市が沿岸地域に避難指示を出したために、自家用車の乗り入れとシャトルバスの運行が停止されています。

この影響で来場者とスタッフ120人が一時近隣の避難所に避難したということです」

■万博会場は「南海トラフ地震」で想定される津波よりも5メートル以上かさ上げ

【記者中継リポート】
「万博会場は南海トラフ地震で想定されている津波の高さ・3.2メートルよりも5メートル以上かさ上げされています。

今回大阪府に到達すると予想される津波の高さ最大1メートルということで、十分な高さが確保されていると。

安全だという判断がされまして今回通常営業ということになったということです」

■「安全対策から通常営業継続」判断のアナウンスは津波到達予想時刻より後に

一方、会場で津波への安全対策から通常営業を続けると判断したことがアナウンスされたのは、午後0時7分で、津波の到達予想時刻だった正午よりも遅い情報伝達となりました。

博覧会協会が開いた会見では記者から『なぜ遅れたのか』と質問が相次ぎ、「府、市と連携しながら、来場者に安全に感じてもらうため、どういう情報提供がいいかを調整していた結果、午後0時を超えてしまった」と釈明しました。


■専門家「南海トラフ地震に備えているなら今回の津波であれば十分安全」

万博会場の安全性については、専門家も「十分安全」と述べました。

【京都大学防災研究所 西村卓也教授】「南海トラフ地震に備えているような状況であれば、今回の津波であれば十分安全だというふうに思います。

安全だっていうことがあるんであれば、できれば早めに会場にいる方にもアナウンスしていただいて安心を届けていただきたいなと思いますね」

■橋下徹さん「調整よりも早く言った方がよかった」

この情報伝達の遅れについては、大阪府知事・大阪市長を務めた橋下徹さんも「早く伝えるべきだった」と指摘しました。

【橋下徹さん】「役所の中を知ってるので、いろんな調整があったことはわかるんですけども、かさ上げの対策をやって、護岸壁だけ高くしているんじゃなくて、地盤自体を高くしているんだったら、その(役所内の)調整に時間をかけるよりも早く言ってあげた方が、よかったなと思います」

(関西テレビ「newsランナー」2025年7月30日放送)

関西テレビ
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