30日午前8時25分ごろ、ロシアのカムチャツカ沖で発生したマグニチュード8.7の地震。
太平洋の沿岸部に津波警報や津波注意報が発表され、今も和歌山県を中心に避難が呼びかけられています。
一方で、兵庫県や京都府で観測史上1位の40度超えを記録した地点もあり、異例の暑さの中での避難が求められました。
防災士でもある片平敦気象予報士は「真夏の避難」において大切なポイントは、「まずは避難!」と解説しました。
【片平敦気象予報士】「暑さで体調を崩すということは心配ですが、津波警報が出ている場合は、まずはとにかく避難です。特に津波が間もなく到達する場合に、冷たいものを持って行こうとか、もたもたしている間に取り返しがつかないことになる恐れがあります」
■避難する際に熱中症対策として持っていくとよいもの
【片平敦気象予報士】「すぐに津波が来るというのであれば、まずはとにかく避難をして、命を最優先にして下さい。津波の予想到達時刻が出て、今の時刻よりも到達時間が2時間後、3時間後など余裕があって、避難する場所まで確実に行けるというのであれば、暑さ対策もして下さい」
【避難する際に熱中症対策として持っていくとよいもの】
・水分
・携帯用扇風機
・塩タブレットなど塩分補給できるもの
【片平敦気象予報士】「熱中症にならないような普段の対策もできればしていただきたいですが、まずは『避難』がとにかく大事です」
■避難先では空調設備が整っていないところも
避難先の体育館では、空調設備が整っていないところも多くあります。
【片平敦気象予報士】「体育館などの空調設備の設置率(全国平均で22.7パーセント)が低い中で、30日夜の和歌山の最低気温は25度を下回らない熱帯夜になる予想で、夜の間も熱中症に気をつけていただきたいです。
この暑さの中で、1日2日いるだけで体調を崩して、その後入院することもあり得ると思うので、本当に気をつけていただきたいです。
我慢するのではなく、声を上げるのはわがままではありませんので、ぜひ周りの方とか自治体の職員の方にぜひもっと声を上げていただくというのが大事かなと思います。その上で、避難する場所として今晩一晩だけでも、知人の家や知り合いの家や親族の家など安全な場所に身を置くことも大事です」
■避難先での熱中症対策はまずは「寝る前にコップ一杯の水を」
【避難先での熱中症対策】
・寝る前には必ずコップ1杯の水を
・トイレに起きた時も水分補給のチャンス
・枕元には常温の水を置いて水分補給できるように
【片平敦気象予報士】「寝ている間に汗をかいて脱水を起こすことがあります。避難先で周りを起こすからトイレに行くの嫌だなって思う方もいるかもしれないですけど、そういうのはわがままじゃないです。
とにかく寝る前にコップ1杯の水を飲んで、熱中症にならないようにしてください。
夜中に目が覚めた時に飲めるようにペットボトルの常温の水を置いて水分補給すると
熱中症対策の意味でも『自助・共助・公助』を考えてほしいです」
特に暑さを感じにくいと言われているご高齢の方、お子さんには周りの方々の声かけが必要です。
【片平敦気象予報士】「建物の中で避難される方はエアコンを消そうかなと思う方もいるかもしれませんが、国内の歴代1位を記録するような歴史的な暑さ(兵庫県丹波市で41.2度を記録)ですから、その暑さが今夜も熱が残ります。
被災地に電話をかけるのは、電話が錯綜してよくないこともあるんですけど、SNSで『エアコンつけてね。家族からつけてるかな?』と連絡をすることも非常に大事です。 身近な方から言われるのは一番心に響きますので、皆さんの声で熱中症を広げないように気をつけていただきたいです」
(関西テレビ「newsランナー」 2025年7月30日放送)