街全体が子どもの好奇心を育む学びの場になっています。

森ビルが開催している「ヒルズ・ワークショップ・フォー・キッズ2025」。

六本木、麻布台、虎ノ門の3つのヒルズで120種類に及ぶ講座が行われ、約6000人の子どもたちが学びます。

六本木ヒルズの法律事務所で行われていたのは、子供たちによる“模擬裁判”。

審理されるのは、路上で78歳の男性が突き飛ばされ5万5000円が入った封筒を奪われた事件。

事件後、現場から少し離れた場所で5万5000円を持っていたところを逮捕された男が被告です。
被害者は走り去った犯人の特徴が被告と一致すると証言します。

証人尋問では、弁護人役の子供が「事件当日、犯人の顔は見ましたか?」と、目撃証言の信ぴょう性を問う場面もありました。

被告人質問では、被告が持っていた現金についてのやりとりが行われました。

弁護人:
5万5000円を持っていたのはなぜですか?

被告人:
お金を貸していた先輩から貸していた7万円を返してもらった。

検察官:
7万円を貸していた先輩の名前はなんですか?

被告人:
言いたくありません。

判決は、裁判官役3人の中でも意見が割れ、多数決で有罪となりました。

模擬裁判を体験した子供たちからは、「議論をして話を出すところとか、発言するときに緊張してぐだっちゃうところがあった。そこも楽しくて、でも難しかった」「将来はもっと憲法を勉強して、裁判官とか弁護士になりたい」といった声が聞かれました。

麻布台ヒルズの歯科医院「西堀歯科」では、子供たちがレジンを使った工作をしていました。

一見、ただの工作ですが虫歯治療の際に使うプロの素材と技術です。

「大垣書店 麻布台ヒルズ店」では、レジ打ちとPOPの作成を体験。
店内を回り、おすすめの本を探していました。

米粉パンの本を見つけた5年生の女の子は「私は普段から米粉をよく使うけど、米粉をあまり使わないお客さんもいるので、これを読んで米粉を使うようになってくれたら」と話しました。

街をまるごと「学びの場」にして、大人の街をイメージするヒルズで子どもたちに学びを提供するわけは…。

麻布台ヒルズ運営推進室 運営部・木村恵里花さん:
学校では学べないようなことをリアルな街を舞台にヒルズに集まる各分野のトップランナーの大人たちから直接学んでもらうことで、ここでしか得られない学びというものを持って帰ってほしい。