県内でスポーツに打ち込人を紹介するかちスポ。今回は、高校生で総合格闘技の日本一になり、8月にプロデビューする19歳。キックボクシングと合わせ、2つの競技での頂点を目指しています。
【中島唯翔選手】
「自分はキックボクシングとMMAをやっているので、大谷翔平選手のような二刀流でいきたい」
佐賀市の中島唯翔選手19歳。今年2月、総合格闘技・通称MMAの全国大会で優勝し、高校生世代の日本一となりました。中学生までは野球に打ち込んでいた中島選手。ささいなきっかけから、高校では総合格闘技を始めます。
【中島唯翔選手】
「中学生のころ、ライジン(格闘技イベント)の朝倉未来選手に憧れて始めようと思った」
一方、「総合格闘技」専門のジムは非常に少なく、中島選手は種目が違う2つのジムで技を磨いています。こちらはその1つ、「柔術」のジム。
【中島唯翔選手】
「柔術は週に1、2回。1回の練習が2時間くらい」
柔術で鍛えるのは、寝技。中島選手の武器の1つでもあります。
【シスイ柔術佐賀・増野秀則ヘッドインストラクター】
「ディフェンス力が高いところで、安定して勝率を出せる選手。寝かされてもリカバリーして立つこともできる」
この日の練習でも、格上の選手相手に一本も取らせることなくスパーリングを終えました。
【シスイ柔術佐賀・増野秀則ヘッドインストラクター】
「三角締めが良い形で入っていたので、決まるかなと思って見ていた。見事に逃げたのでさすがだなと思った」
【中島唯翔選手】
「総合格闘技の寝技は打撃もあるので、打撃を意識しながら柔術の練習をしている。寝かされて立つ練習をしている」
一方、中島選手が通うもう1つのジムが「キックボクシング」。実は、キックボクシングではすでにプロデビューを果たしている中島選手。子どもたちにも教えています。
【中島唯翔選手】
「指導することで、伝わる力など自分自身もすごく成長している。基本的な挨拶や礼儀など大人になっても役に立つことを指導している」
【生徒】
Q中島選手はどんな先生?
「優しい。めっちゃ頑張ってる。何でも諦めずにずっと続けていることが憧れる」
中島選手の練習が始まるのは、子供たちへの指導が終わってから。指導するのは、キックボクシングの元九州チャンピオン栗原陵さんです。
【栗原陵さん】
「すごい成長。真面目で、きつい練習も何も言わず淡々とこなす」
【中島唯翔選手】
「ストレートフックが得意。実践の練習でストレートフックをうまく当てる練習をしている」
キックボクシングでは、去年2月にプロになった中島選手。しかし初めて出場した試合では、怖さで何もできなかったといいます。
【中島唯翔選手】
「試合始まる前からすごく緊張して、始まった途端に相手が殺しにくるように怖くて負けました。すごく悔しくてそこから練習を頑張ろうと思えた」
この負けから練習漬けの毎日。アマチュア選手とのスパーリングでは、相手を圧倒します。
【スパーリング相手】
「他の選手と違って、キックの距離じゃなくて総合格闘技独特の距離感から攻めてくるのでやりにくい。テクニックもなんですけど、19歳で気持ちもめちゃくちゃ強い。なかなか自分らでは、追いつけない部分がかなりある」
一方、元九州チャンピオンを相手にすると、終始押される展開。1ラウンドが終わると右目の下は赤くはれてしまいました。
【中島唯翔選手】
「なかなか近づけなかった。手加減してもらっているんですけど、試合だったらすぐにやられている」
【栗原陵さん】
「動作が大きいので全部分かる。毎日残ってスパーリングでボコボコにして、ボコボコにされた方が強くなる。それでも、諦めずに練習に来るところ」
キックボクシングでは、すでにプロとして活躍する中島選手。7月13日に行われた試合では、前日に、ランニングと半身浴で3キロ以上も減量して臨み、結果は得意の右ストレートで1ラウンドKO勝利を挙げました。
【中島唯翔選手】
「減量はきつい。試合に勝ちたいので、減量も頑張れている」
目標はキックボクシングと総合格闘技の「二刀流」。総合格闘技でも、8月プロデビューする予定です。
【中島唯翔選手】
「8月にMMAのプロデビュー戦があるので、そこをしっかりと勝って、夢のライジンに出られるように頑張る」