この猛暑で、各地のダムでは貯水率が低下しています。
田中祐一朗記者:
雲南市の尾原ダムです。あちらを見てみると、かなり地面が多く見えるようになっています。
このうち、島根県東部を流れる斐伊川上流の尾原ダムでは、29日午前8時時点の貯水率が40.8%と平年の半分以下の水準にまで低下、平年約90%、2012年のダム完成後、最も少なくなった2013年の24.38%に近づきつつあります。
きょう(29日)訪れると、7月8日に取材した時に比べ水位はかなり低下、平常時から11メートル以上下がっているということです。
尾原ダム管理支所 栂野秀明所長:
7月の中旬ごろ降雨がありまして、貯水率が若干回復したんですけど、それ以降降雨がございませんで、貯水位がどんどん下がっていっている。
7月の降水量は、松江で38ミリ、鳥取で16ミリ、米子で44.5ミリ。
松江では平年の16%、鳥取ではわずか8%にとどまり、記録的な少雨となっています。今後も、しばらくはまとまった雨が見込めないことから、ダムを管理する国土交通省は流域の住民に節水を呼びかけています。
また、国交省や流域の自治体などでつくる斐伊川渇水調整協議会はダムからの放流をさらに制限し、下流域の流量を通常時の50%に減らす「渇水調整」を7月25日から始めました。
尾原ダム管理支所栂野秀明所長:
これから雨が降らなければ、約1か月後くらいには貯水率が0%になるのではないか。
このまま雨が降らなければ、尾原ダムでは、今週末にも貯水率が30%を下回る見通しで、渇水調整協議会は次の段階の調整に向け、31日に協議会を開くことにしています。
一方、鳥取県西部を流れる日野川上流の菅沢ダムでも29日昼の時点で貯水率が約33%と平年を下回っています。
これを受けて、国交省は29日午前10時から日野川水系で、さらに5%引き上げ20%の取水制限を開始しました。直ちに生活に影響が出る状況ではありませんが、今後、農作物などへの影響が懸念されます。