26日、大阪・関西万博の会場内では、夏の風物詩「盆踊り」で、「過去最多の人数・国籍数」というギネス世界記録への挑戦が行われ、見事達成した。
参加したのはおよそ4000人!達成には「参加者の9割が正確に踊ること」という条件がある中で、参加した73歳の“万博マニア”の男性は振り付けに大苦戦。
厳しい指導で4000人を率いた“先生”とともに、挑戦した様子を密着取材した。

■「違う!間違ってもすぐに追いつく!」先生の熱血指導に熱が…
26日に行われたギネス記録の挑戦は、万博のテーマソング「この地球の続きを」に合わせ、およそ4000人が5分間の盆踊りを踊るというもの。
記録がかかるのは一度に踊る「最多人数」と「国籍数」だ。
この日は練習日。記録達成には参加者の9割が正確に踊ることが出来ているという厳しいハードルが課されている。
盆踊りの指導と振付を担当したのは、この道『61年』の森下輝子先生(74)。
森下輝子先生:当日これくらいの距離で踊ります。きょうは踊れるかどうかテストです。
少しでも参加者に間違いがあると…
森下輝子先生:違う!間違ってもすぐに追いつく!知らん顔して素知らぬ顔で追いつく!
悲願のギネス達成にむけ、その指導にも熱が入る。

■盆踊りに苦戦する「万博マニア」に密着
その中で、特に踊りに苦戦していたのは、振り付けを声に出しながら懸命に練習する福安隆夫さん(73)。
愛知県に住んでいますが、会場の近くに家を借り、ほぼ毎日万博に通っている万博マニアだ。
そんな福安さんは、どうしても苦手な振り付けがあった。それは、右手と左手を交互に出す部分だ。
タイミングが合わなかったり、少し形が違ったり…
(Q:ずっと右左言いながら踊ってましたね)
福安隆夫さん:あれまずいですか?しゃべったら。
森下輝子先生:いいですよ。大丈夫ですよ。
本番までに苦手部分を克服できるのか?

■7時間ほど前に会場入りして自主練に励む福安さん
いよいよ当日。本番は夕方の午後5時半からだが、福安さんは7時間ほど前に会場入り。
ひとりで動画を見て最後の自主練習に励むため、テープでスマホを固定するが…
福安隆夫さん:反射しとんな…。
どうやら太陽の反射で画面がうまく見えないようで、練習が進まない。
福安隆夫さん:まぁ覚えてるんで大丈夫。
「大丈夫!」とのことだったが、やはり“右・左”の部分がまだ怪しい様子。
すると、ピンチの福安さんのもとへ心強い練習パートナーがやってきた。
「newsランナー」にも何度も登場している、万博マニアの藤井秀雄さん!2人で練習するも、なかなかきれいには揃わない。
福安隆夫さん:映像無い方がいい。
藤井秀雄さん:見ないほうがいい。
映像を見ない方がいいと判断したが…
福安隆夫さん:右、左右、左…。
藤井秀雄さん:心配ですね。
本番ギリギリまで猛練習。
福安隆夫さん:もうバッチリです。
(Q:ほんとですか?)
福安隆夫さん:ほんと、ほんと。

■本番直前まで「全然揃ってない!」
一抹の不安を残したままだが、いよいよその時が近づいてきた!
本番2時間前には続々と参加者が会場へ。振り付けを担当した森下先生も直前まで大忙し。
森下輝子先生:はい、ちょちょんがちょん!ちょっと待って!ちょっと待って!全然揃っとらんわ!みんな心を1つにせなあかんの、いくよ!
審査は参加者50人に対して1人のギネス審査員が踊りをチェック。
参加者の9割が正確に踊れているかを判定する。
いよいよ本番の時。
福安さんは、不安を感じていた「右・左」の振り付けも、何とか踊り切った。

■およそ4000人が心をひとつに挑み「失格者ゼロ」でギネス記録達成
終了後、1時間の審査の後に結果発表だ。
ギネス記録員:3946人。しかも失格者ゼロでギネス記録達成です!
見事、同時に踊った人数と国籍(62カ国)でギネス記録達成となった!指導をしてきた森下先生も万感の思いだ。
森下輝子先生:皆さんありがとう!」
大阪府 吉村洋文知事:感謝の気持ちを込めて、僕から先生にギネスの認定証を!

■熱血指導で苦手の振り付けを克服した福安さん 先生の目にも涙
苦手な振り付けを克服した福安さんも大興奮。
福安隆夫さん:やりました~!特訓の成果で何とか乗り越えまして、これほど感動・感激を覚えるとは想定外でした。
喜びを分かち合おうと向かうのは森下先生の元だ。
福安隆夫さん:先生の特訓のおかげ。ほんと手ばかり間違えてな。
森下輝子先生:みんなが頑張ったからやで。手間違いながら。
心を一つに踊った結果生まれたギネス記録。忘れることのない夏の思い出となった。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年7月28日放送)
