猛暑が続く影響で大腸に届く水分が減り、砂漠化する「夏便秘」が増加している。大量の汗で腸内が乾き、張りや出血を訴える例もあった。夏便秘は子どもから高齢者まで各年代に広がっているという。医師は、朝にコップ一杯の炭酸水や発酵性食物繊維を摂取することを推奨している。
大腸に届く水分量が減り‟夏便秘”になる人が増加
連日、各地で体温超えの猛暑が続く中、ある不調を訴える人が増えているという。

7月25日のテーマは、『猛暑で腸が悲鳴!?増える「夏の便秘」ソレってどうなの?』だ。
7月24日、東京・国立市の国立消化器・内視鏡クリニックに40代の女性が来院した。
国立消化器・内視鏡クリニック 吉汲祐加子院長:
どうされました?
患者(40代):
暑くなってから便が出なくなってきまして、ひどいときは1週間くらい出ないときもあって。暑くなる前はここまでなくて、毎日便が出ていたんですけど。
ここ最近暑くなってきて、便秘の症状が出始めたという。
患者(50代):
ちょっと頑張ったときに、出血したので心配で…。
国立消化器・内視鏡クリニック 吉汲祐加子院長:
ちょっと(お腹)張ってますね。
今、猛暑からくる便秘に悩まされる人が増えているという。
国立消化器・内視鏡クリニック 吉汲祐加子院長:
夏便秘を訴える方は、以前と比較して2割くらい増えています。

国立消化器・内視鏡クリニックの吉汲院長によると、ここ数年の厳しい暑さで夏便秘を訴える患者が多いという。
街でも、不調を訴える人たちがいた。
20代:
3日(出ない)とか。夏の方が(便秘に)なると言われればそうかもしれない。しんどいですね。
30代:
数えたことないけど、2〜3日くらい出ないという感じ。水分を補給しても改善されない。
暑くなると、なぜ便秘になるのか。

国立消化器・内視鏡クリニック 吉汲祐加子院長:
夏便秘の主な原因は、大腸の砂漠化です。大量に汗をかくことによって、大腸に届く水分量が減ったことが、夏便秘の増加の原因と考えています。
大腸の水分が不足してカラカラになる、大腸の砂漠化。夏の水分補給は、みなさん心掛けていると思うが、なぜ砂漠になるのか。

実は大腸まで届く水分量は、摂取したうちの約1割ほどだという。そこに暑さで大量の汗をかくことが加わると、大腸への水分がさらに減ってしまい夏便秘になるという。
また、夏バテで食欲が減少して食生活が乱れたりエアコンで体を冷やしすぎたりすると、腸の働きが鈍くなり夏便秘になりやすいという。
患者(60代):
ひと月前くらいから、お腹が張って。
クリニックを訪れた患者には、60代の男性もいた。夏便秘は子どもから高齢の方まで各年代に広がっているという。
腸内環境が乱れると全身の不調にも…一杯の炭酸水が有効
青井キャスター:
柳澤さん、水が重要だということなんですね。

SPキャスター柳澤秀夫さん:
私は調子いいです。明け方にペットボトル半分ぐらい水飲むようにしているんですよ。そうすると、ちょっと腸が動いたりしますね。
青井キャスター:
とにかく水分を補給することですね。ただ、飲み過ぎもまた注意です。水分不足などによる腸内環境の乱れで起こる夏便秘ですが、吉汲院長は、さらなる病気を引き起こす恐れも指摘しています。
国立消化器・内視鏡クリニック 吉汲祐加子院長:
腸内環境が乱れることによって、腸のバリア機能が低下します。そうすると認知機能とか免疫力低下、肌荒れその他いろんな全身の不調につながります。
青井キャスター:
では、どのような対策をすれば良いのでしょうか。教えてください。

国立消化器・内視鏡クリニック 吉汲祐加子院長:
朝(コップ)一杯の炭酸水を飲むと、腸が動き出すので便通改善に効果があります。発酵性食物繊維が有効です。小麦ブラン、シリアル、もち麦などに多く含まれています。発酵性食物繊維を摂り、腸内環境を整え便秘改善に努めましょう。
ぬるめのお湯で30分ほどの半身浴や、適度な運動も腸の働きを活発化させ効果的だという。
これから、まだまだ暑い日が続く。熱中症とともに夏便秘にも注意して、快調な夏を過ごしてほしい。
(「イット!」7月25日放送より)