連日のゲリラ雷雨の一方、長野県北部の飯山市では、7月の降水量が8ミリと記録的な少雨になっています。コメ農家からは生育への影響を心配する声が聞かれ、市も対策に乗り出しています。
(記者リポート)
「飯山市の田んぼです。水は干上がり、土には亀裂が入っています。この状態がもう1週間ほど続いているということです」
飯山市旭地区の水田です。土は白く乾き、亀裂が入っていました。
この水田でコシヒカリを育てている、コメ農家の高橋聡さん(65)。今、頭を悩ませているのが少雨です。
コメ農家・高橋聡さん:
「最後に降ったのは覚えていないくらい前。35、6(歳)のときからやっているけどこんなのは初めて。あと1週間続いたら大変なことになっちゃう」
飯山市の7月の降水量は平年値でおよそ155ミリですが、今年は7月24日まででわずか8ミリ。記録的な少雨となっています。
今の時期は、イネの根元が浸るくらいの水が必要だということですが、雨が降らず、乾いた状態が1週間ほど続いているということです。
水田のところどころでイネが黄色く変色していました。
対策もしています。
コメ農家・高橋聡さん:
「用水から水が流れてこないから排水からポンプアップで水を入れている」
用水路にある他の水田から流れてきた排水を小型のポンプでくみ上げ、自分の水田に水を入れています。
1枚の水田に水を行き渡らせるのに3日ほどかかるということです。
高橋さんの水田は千曲川から離れていて、この方法でしのぐしかないということです。
高橋さん:
「(水が無い状態が続くと?)だんだん色が変わって最後は黄色く枯れちゃう」
記録的な少雨に、市も危機感を抱いています。7月11日から農業用水をくみあげるポンプのレンタル代や燃料代の補助を行っています。
また、畑に散水するための用水の給水所を常設の2カ所に加えて新たに2カ所設けています。
飯山市・江沢岸夫市長:
「渇水の状態は大変厳しい状態にある。できる対策はやっていきたい」
県内の天気予報はこの先も晴れマークが並んでいます。今の状態が続くとイネの生育への影響は避けられません。
高橋さんは、無事に収穫を迎えるためにも、まとまった雨が降ることを願っています。
高橋聡さん:
「出穂してこういう状態ならアウトだろう。どれだけでもいいから降ってほしい。雨ごい祭りでもしなくちゃ」