TSKさんいん中央テレビと山陰中央新報社のコラボ企画「カケル×サンイン」。
共通のテーマをテレビと新聞、それぞれの視点で掘り下げ、ニュースの核心に迫ります。
今回は7月24日に開幕したインターハイ、『中国総体2025』がテーマです。
2回目の25日は、陸上女子100メートルで日本一を目指す鳥取敬愛高校の前田さくら選手にスポットを当てます。

鳥取市の布勢総合運動公園陸上競技場。
男子選手に混じってトレーニングしているのは、前田さくら選手です。
鳥取敬愛高校3年生、26日開幕するインターハイ陸上女子100メートルに出場します。

前田選手は、2024年のインターハイで準優勝、地元・鳥取で行われた6月の『布勢スプリント』では、追い風参考ながら日本勢トップ、高校日本記録を上回る11秒39をマーク。
地元のファンを沸かせました。
また、一般ランナーと戦った7月の日本選手権でも6位入賞。
弾みをつけて、悲願の日本一へ高校最後のインターハイに臨みます。

鳥取敬愛高校3年生・前田さくら選手:
(インターハイは)レベルが高いと思うので、緊張せずに、楽しんでいきたいなって思っています。

全国の舞台でライバルたちと堂々と渡り合う前田選手。
その走りについて、指導する西澤監督はこう語ります。

鳥取敬愛高校陸上競技部・西澤真徳監督:
走りの中で、股関節が強かったり足首が強いことで、しっかり地面から反発をもらってきれいに走れる。

前田選手の強みは、「ピッチ=足の回転」の速さです。
股関節や足首が強いことで、足が後ろに流れず地面からの反発を無駄なく走りに生かせることが、足の回転の速さにつながっているといいます。

そして、インターハイに向け強化したのが、スタートダッシュです。

鳥取敬愛高校3年生・前田さくら選手:
(今月の)日本選手権が終わって、スタートの所も改善したので、そこも上手く生かせるように頑張りたいなと思っています。

課題の後半に力を残すため、スタート直後に体を起こさないよう練習しました。

鳥取敬愛高校陸上競技部・西澤真徳監督:
(スタート直後は)前傾姿勢で。

鳥取敬愛高校3年生・前田さくら選手:
今までは、自分の力で『押して、押して、押して』みたいな感じで走っていたんですけど、自分の力で頑張らずに、体が上がってきたら、そのまま(足を)回すみたいな。

磨いてきた“ピッチ”と“スタートダッシュ”を武器に、高校日本一を目指します。
最終学年となった今シーズン、好成績を残している前田選手ですが、2024年10月には腰椎分離症、腰の疲労骨折を起こし、約3か月間、全く走れない状態が続きました。

そんな苦しい時期に支えとなったのが、西澤監督。
高校・大学時代には、110メートルハードルで2度の国体優勝を経験。
「西澤監督のもとで速くなりたい」と入学してきた前田選手を指導してきました。

今回の故障でも復帰後を見据え、「今だからこそできることを」と、体幹や筋力の強化に取り組みました。

鳥取敬愛高校陸上競技部・西澤真徳監督:
けがしている間もたくさんやってます。そこで自信を無くさせたくないので。僕も追い込ませてました、やれることで。

鳥取敬愛高校3年生・前田さくら選手:
けがを最初した時は焦ったんですけど、こういう風にしていこうって話をしていたので、先生を信じて頑張ってきました。

鳥取敬愛高校陸上競技部・西澤真徳監督:
信じてもらってたみたいです。

鳥取敬愛高校3年生・前田さくら選手:
相談にも乗ってくれるし、面白い先生なので、すごい。先生に見ていただいて良かったなって思っています。

その結果、体重は約3キロ増加、けがからの復帰後の走りは、さらにパワフルに。
軸が安定したことで、記録も伸びていきました。

鳥取敬愛高校3年生・前田さくら選手:
筋量も変わってきて、『自分の走りがダイナミックになったかな』みたいな感じがあります。

そんな前田選手には、高校日本一を争う最強のライバルがいます。
広島皆実高校3年生の松本真奈選手。
インターハイ予選を兼ねた6月の中国大会では、トップ争いを演じましたが、0.09秒及びませんでした。
準決勝で好タイムを出した松本選手の記録を気にしすぎたかもしれないと、スタートに焦りが出ました。

鳥取敬愛高校3年生・前田さくら選手:
真奈ちゃん(松本選手)は、中学校の中国大会の時にここ(鳥取市)で走ったんですけど、その時から仲良くなって、高校に入っても合宿で一緒に練習したりして、一緒に頑張ってきたと思うので。でも、今回は今のところ全部負けているので、インターハイでは勝てるように頑張りたいです。

6位に入った日本選手権でも、松本選手は0.06秒差で5位。
ともに高め合った、でもあと一歩届かない…最強のライバルに中国総体の舞台での雪辱を誓います。

鳥取敬愛高校陸上競技部・西澤真徳監督:
(松本選手を)倒すには、1番は『気にしない』ということかなと思っています。気にせずに自分の走りができれば、力は確実に前田の方があると思っていますので。しっかり自分の走りをしてくれれば、高校記録更新とインターハイ優勝が見えてくるかなと思うので、気にしないことが1番かなと思っています。

TSKさんいん中央テレビ
TSKさんいん中央テレビ

鳥取・島根の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。