16日間に渡り熱戦が繰り広げられた、夏の高校野球福島大会もついに決勝戦。4連覇を目指す聖光学院と、創部8年目で初の決勝進出を果たした会津北嶺が対戦した。

■5回 会津北嶺が逆転

王者の底力かノーシードから勝ち上がってきた勢いか。甲子園出場をかけた試合は中盤に大きく動く。
5回表、1点ビハインドの会津北嶺は連打でチャンスを広げると、8番・1年生の青柳が巧みなバント。これでノーアウト満塁とすると、押し出しのフォアボールで1点を返す。そして1番・五十嵐が甘く入った変化球を捉え、会津北嶺が逆転。スタンドに集まった応援団も一気にボルテージが上がる。会津北嶺はさらに1点を追加し、この回3得点。
【5回表】会津北嶺 3-1 聖光学院
【5回裏】会津北嶺 3-2 聖光学院


■逆転に次ぐ逆転 見守る先輩

しかし6回裏、聖光学院が反撃する。先頭バッターから4連打で同点とすると、9番・エースの大嶋が、自らを援護する2点タイムリー。今大会4試合中3試合で逆転勝ちの聖光学院。6得点のビッグイニングで会津北嶺を突き放す。
【6回裏】会津北嶺 3-8 聖光学院

点を取り返したい会津北嶺だが、聖光学院・大嶋の丁寧なピッチングに6回以降ランナーを溜めることができない。
きょうまで数々の強豪校を破ってきた会津北嶺。逆転を信じる応援席には2年前にベスト4進出を果たした先輩の姿も。
OBの原太一さんは「とにかく悔いを残さず最後の夏を終えて欲しい。最後まで頑張れと言いたい」と話した。
【8回裏】会津北嶺 3-10 聖光学院

■後輩たちに託して

7点差で迎えた9回。会津北嶺、2アウト1塁で打席に立つのはここまでチームを引っ張ってきた主将の五十嵐。打席はファーストゴロとなり会津北嶺、初の甲子園出場ならず。聖光学院が4年連続で大舞台への切符を勝ち取った。
【会津北嶺 3-10 聖光学院】

聖光学院・竹内啓汰主将は「この大会を通して、苦しい試合ばかりだった。一戦一戦闘い抜く事ができたのは良かったのかなと思っている」と語った。
また会津北嶺の五十嵐悠斗主将は「会津の皆が応援してくれてすごくうれしくて、甲子園出場したら、もっと喜ばれるかなと思ったけど、準優勝っていう結果になってしまって少し申し訳ない。これからの後輩たちの躍進を信じてまた応援していって欲しい」と語った。

■会津ではパブリックビューイングも

あと一歩及ばなかった会津北嶺だが、ここまでの戦いぶりは福島県の野球史に残ると言っても良いかもしれない。会津勢が夏の福島大会で決勝戦に進むのは、1985年の若松商業以来40年ぶりとなった。甲子園出場が果たせれば、これは会津勢史上初の快挙だった。
今回の快進撃を受けて、会津若松市役所には急遽パブリックビューイングが設けられ、会津若松市内の野球少年や市民など約60人が集まり、ひとつひとつのプレーを真剣な表情で見守った。
試合は敗れたが、市民からは「北嶺かっこよかった」「本当に頑張って戦ってくれた。胸がいっぱい」「最後まで諦めない姿がとても素敵で、自分もそういう人になりたい」との声が聞かれ、選手たちに感謝の拍手が送られた。

福島テレビ
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