物価高で危機を迎えているフードバンク。民間の信用調査会社・帝国データバンクによると、飲食料品は7月に2105品目値上がりし、2025年1年間では2万を超える品目が値上がりする見通しとなっている。この物価の高騰により困窮する家庭が増えていることなどから今後、物資を配布できなくなる恐れがあるというフードバンクの現状を取材した。
寄付される食料は年々減少…家庭へ配布できなくなる恐れも
2016年に開設された『フードバンクしばた』。支援を必要とする約500世帯に寄付された食料を無償で提供する活動などを行っている。

しかし、フードロス対策が進み、余剰在庫が減ったことなどから寄付に回る食料が年々減少。
食料が多く積まれていたというスペースも今は床が見えるほどになっていて、家庭への配布ができなくなる恐れも出てきた。
フードバンクしばたの土田雅穂さんは「僕らが支援している人は、ほとんど余裕がない、貯金もない、ギリギリの生活をしている人たち。『食品がありませんでした』『コメがありませんでした』と絶対に言えない」と話す。
「声あげられずじっと我慢している…」寄付への協力呼びかけ
そこで、フードバンクしばたはこれまで支援を受けた個人や企業に緊急でさらなる支援を要望。すると、さっそく家でとれた野菜などを届けてくれる人が現れた。

ただ、物価高の波が収まる気配はなく、支援を求める家庭の増加も予想されることから予断の許さない状況が続いていると土田さんは話す。
「我々が物価高で困っているレベルの話ではない。あの方たちは声も上げられない。上げないんです。食べないでじっと我慢している。なんとか自分で協力できることから、なんでもいいのでやっていただきたい」
フードバンクしばたは事務所などで食料の寄付を受け付けている。
(NST新潟総合テレビ)
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