猛暑日が続く2025年夏。
広島市西区の崇徳高校新聞部が校内アンケートを実施し、高校生たちの「暑さ対策」を調査した。その結果、冷感グッズの活用や“日傘に対する男子の葛藤”まで、高校生ならではの視点が見えてきた。
肌に触れる衣類にひと工夫
調査を行ったのは、崇徳高校新聞部3年の丸山太一さん。

取材テーマは「高校生の暑さ対策」。最近自らも汗拭きシートや冷感グッズを使い始め、周囲の傾向に興味をもったという。
新聞部では、校内の高校生51人(男子19人・女子32人)を対象にアンケートを実施。その結果をまとめたグラフがこちら。

複数回答で最も多かったのは「自宅ではエアコンや扇風機を使う」(45人)、次いで「日焼け止めを使う」(33人)、「涼しい服装をする」(33人)だった。
夏用の制服に加えて、“涼しい服装”とは具体的にどんなものなのか?
丸山さんによれば「さらさらした素材、通気性のあるインナーなど、機能性を重視する高校生が多い」とのこと。目立たない部分で、暑さに負けない着心地を工夫しているようだ。
ハンディファン禁止、男子の日傘は…
街ではよく見かける「ハンディファン」だが、崇徳高校では校則により持ち込み禁止。「便利なものが増えている分、歯止めが効かなくなることを懸念してのルール」だという。代わりに、丸山さんは自宅を出る前にシャツに冷感スプレーをかけて、登下校中の体を冷やしている。

学校で使用が許可されている「日傘」に注目してみると、女子生徒32人中22人が「使う」と回答した一方、男子生徒19人は全員「使わない」と回答した。
「周りに使っている男子がいないからハードルが高い。『男子高校生が日傘なんて…』と恥ずかしく感じている人も多いのでは」と丸山さん。
使わない理由に「男子の日傘は意識が高すぎる」といった声もあった。
30代男性キャスターは「日傘推し」
そんな男子高校生たちに、加藤雅也キャスターがエールを送った。

「日傘があるだけでだいぶ違います。私も30歳を超えてから使い始めましたが、周囲にも男性で使っている人は増えています。丸山さん、ぜひ先陣を切ってみては?」
すると丸山さんは笑顔で「そうですね…はい」と控えめにうなずいた。
アンケートでは「こんな暑さ対策グッズがあったらいいのに」と自由記述も募った。
そこには「地球をドームで覆って気温を下げる」といった大胆な発想から、「リュックからミストが出て、自分のまわりだけ涼しくできるアイテム」など、ユニークな意見が寄せられた。
暑さ対策がますます必要になる時代。今後はもっと自由な発想や工夫が生まれ、新たな商品につながっていくかもしれない。
【崇徳高校新聞部とは?】
広島市西区にある崇徳高校の新聞部は、全国屈指の規模を誇る。G7広島サミットのような国際的な会議から、平和・社会問題、今どきの高校生事情まで幅広く取材。2021年~2023年度には、全国高等学校総合文化祭の新聞部門で最優秀賞を受賞した実績も。情報発信力や企画力に加え、高校生ならではの独自の「視点」が注目されている。
(テレビ新広島)