2023年、高知・明徳義塾高校からプロ野球の世界へ飛びこんだ一人の選手がいます。寺地隆成選手。高卒2年目でありながら、見事プロ野球オールスターゲームに初めて出場することが決まりました。
2025年4月、プロ初のホームランを放つと、18日までに5本のアーチを描きました。守りでも、矢のような送球で盗塁を阻止しています。
寺地選手:
「(出場が決まって)メチャクチャうれしかったですね。なかなか味わえない経験だと思うので、素直にうれしかったです」
プロ野球オールスターゲームに初めて出場する寺地選手。明徳義塾高校出身、まだプロ2年目の19歳です。今回出場が決まったオールスターは、ファンの投票や監督推薦で選ばれたスター選手が一同に集う「夢の舞台」です。
寺地選手は2年前のドラフト会議で、千葉ロッテマリーンズからドラフト5位で指名され、高知からプロの世界へ。高卒、しかもドラフトの下位指名で入団した場合、試合に出られるチャンスさえ少ないとされる中、広角に打ち分けるバッティングや強肩を買われ2年目でなんとレギュラーに定着。
6月の第5号ホームランは、レフト方面に技ありの一発。10代でシーズン5本以上のホームランを打った選手は、球団史上3人目です。
そんな活躍が評価され、オールスターに選出されました。10代キャッチャーでの選出は、90年以上続くプロ野球史上、寺地選手でこちらも3人目の快挙です。
寺地選手:
「監督に呼ばれて、なんで呼ばれたんだろうと不安な気持ちだったんですけど、オールスター選ばれたからという言葉をいただきました」
寺地選手、高校時代の野球に没頭できる「環境」が今の自分の原点だと振り返ります
寺地選手:
「最初、(グラウンドに)行ったときは“これマジか”と思いました」
明徳野球部のグラウンドは、高知市中心部から車で1時間ほどかかる須崎市の山の中にあります。
寺地選手:
「この環境で3年間野球をやり続けたら、うまくなるんじゃないかっていう考えがありましたね」
高校時代は2度、夏の甲子園に出場。中心的選手としてチームを引っ張りました。寺地選手にとって、高知は野球人生を語る上で忘れられない場所になったといいます。
寺地選手:
「厳しかった部分もあったんですけど、その分仲間同士の団結力というか、私生活の部分ですごく楽しかった思い出が多いので」
シーズンオフには高知に帰り、仲間との時間を過ごしました。
寺地選手:
「それこそ、ひろめ市場に行った時に、おいしいご飯を食べたのが思い出だなと思いますね。カツオのたたき食べに行きましたね」
高知に育てられたと話す19歳は、オールスターの舞台で大きく羽ばたきます。
寺地選手:
「自分の長所であるバッティングをしっかり発揮できるようにやっていきながら、一番はMVPを取れるように」
寺地選手、初めてのオールスターゲームは23日(水)に大阪の京セラドームで、24日(木)に横浜スタジアムで行われます。両日とも午後6時30分プレイボールです。
