投票日を間近に控えた参議院選挙。

 事実上の政権選択選挙と位置づけられていますが、大きな争点の一つが物価高対策です。

 選挙戦終盤を迎え、日々の暮らしに苦心する有権者の本音に迫りました。

 「スーパーへ行って『先週はこれだけだったのに、こんなに上がったんだ』と驚くことがある」(70代女性)

 「コメを必死で安いところを探して買っている」(40代女性)

 「『ちょっと物価が高すぎないか』と思いながら、自分の賃金が合っていないという思いもある」(20代男性)

 値上げの波が家計を直撃しています。

7月中でも2105品目の食料品が値上げ

 民間の調査会社によりますと、7月に値上げされる食料品は2105品目。

 1年間では全体で2万品目に達するとも言われています。

 私たちの暮らしを取り巻く状況は深刻さを増しています。

北海道ではこの3年間で10%の物価上昇

 「“失われた30年”と言われているが、この30年間ほぼ消費者物価が上がらない状況。それがここにきて北海道の場合毎年約3%上昇して、この3年間で約10%物価が上がった状態。非常に大きなインパクトだと思う」(北海道二十一世紀総合研究所 伊東 基寛さん)

 物やサービスの価格の変化を示す消費者物価指数を見ても、この3年で急激に上昇しているのがわかります。

 「物価も高くなってきているし生活だけで精いっぱい」と語るのは、札幌市中央区に住むパート従業員の大竹智美さん。

 会社員の夫と高校生の息子、小学生の娘の4人家族です。

 息子は北海道外の高校に進学し寮生活。

 仕送りに日々の生活費と、やりくりに頭を悩ませています。

  「コメもすぐなくなってしまい、食費にかかる金額に『あれ?』と驚く。1万円がすごく軽い感じがする。以前はもっと1万円でできたことや、買えたものがあったような気がする」(大竹 智美さん)

 賃金が思うように増えない中での物価高。

 買い物でも工夫をしています。

 「娘がフルーツ好きだから買いたいが、高いからバナナにしている。キノコ類は比較的値段が落ち着いているので助かっている。35円のモヤシはありがたい」(大竹さん)

節約のために外食から弁当へ

 節約のため夫婦の昼食を外食から弁当に変えました。

 必死にやりくりしますが、月の食費は去年に比べて3万円近く増えたといいます。

 「あまりゆっくり商品を見ない。買うものを決めて店内を回り、買いすぎないようにしている」(大竹さん)

  今回の参議院選挙で物価高対策として与党は現金の給付を、野党は消費税の減税に軸足を置いた主張をしています。
 
 与党の案では子どもに加算されるため、大竹さん家族にはあわせて12万円が給付されることになります。

 「現金給付など1回限りでその場しのぎみたいなことより、長く続けられる政策だったらありがたいと思う。消費税をゼロにすることなどは『本当にできるのか?』と思うところは正直ある」(大竹さん)

根本的な対策が求められる

 現金給付か、消費税減税か。

 経済の専門家は、根本的な対策が必要だといいます。

 「物価が先に上がって賃金がそれに追従する動きが中小企業に広がり、物価は上がるけれど賃金も上がるということが浸透すれば、世の中の見え方も変わってくる。それが良い経済循環になる」(北海道二十一世紀総合研究所 伊藤さん)

 物価高から暮らしを守る政治の役割が問われています。

 参院選の争点となっている物価高対策。

 “現金給付”か“消費税減税”かがクローズアップされています。 

 選挙戦序盤の7月7日、UHBではSNSを使い物価高対策として、“現金給付”と“消費税減税”のどちらがより適切かアンケート調査を行いましたが、消費税減税を求める声が8割以上を占めました。

 選挙戦が終盤を迎えた7月17日、再び同じ質問をしたところほぼ同じ結果に。

 消費税減税を求める声が相変わらず多いようです。

北海道文化放送
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