2020年、宮城県立高校の女性教師が同僚の男性教師からパワハラを受けて自殺した問題についてです。7月16日、女性の両親が会見を開き、県教育委員会がまとめた検証結果について、「真実が明らかになっていない」として、提訴を検討していると明らかにしました。
女性教師の父親
「何でこんなことになったのか、帰ってきてほしいという思いに変わりはありません。真実が明らかになっているとは思っていません」
女性教師の母親
「残念ながら、この報告書で問題が解決できるとは思いませんでした」
この問題は、2020年、石巻西高校に勤める30代の女性教師が、同僚の当時59歳の男性教師から「仕事は一切お願いしません。会議には出ないでください」と書かれたメモを机に置かれるなどのパワーハラスメントを受け、自殺したものです。
男性教師への懲戒処分は当時の基準などに基づき、「停職3カ月」でしたが、この問題を受けて、「免職」の規定が追加されました。
遺族は第三者委員会による検証を求めていましたが、県側で再検証した報告書が4年8カ月が経過した7月、遺族に手渡されました。
当時の校長や教頭が「トラブルの発生を認知したにもかかわらず、結果回避に向けた対応をしているとは言い難い」とした上で、「重大な過失」があったと指摘しています。
女性教師の父親
「パワハラが認められて、管理職の対応に重大な過失があったとされたことは、気持ちとして皆さまに感謝しています」
一方で、遺族側は、「複数の証言を得られなければ、事実として認定しない」というルールに基づいて調査されたことで、真相究明が不十分だとしています。
女性教師の父親
「自分たちで調査して、自分たちで結論を出しているから限界があるのかなと、私自身は感じています」
女性教師の母親
「他校の先生方にも報告書を見ていただいて、どうしたら自分たちの職場がいい職場になるのか考えていただいて、対策を考えなければ、また同じことが起こるだろうなと思っています」
遺族側は「管理職の重大な過失行為によるものであれば、単に公務災害にとどまるものではない」として、県を提訴することを検討しています。