7月3日に参議院選挙が公示され、17日間の選挙戦がスタートした。山形県選挙区には現職と新人を合わせて5人が立候補した。選挙戦序盤の戦いをみていく。

もっと投票の前に
もっと投票の前に
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改選1に対し現・新あわせて5人が立候補

<県選挙区立候補者>※届け出順
無所属の現職・芳賀道也氏(67)
参政党の新人・佐藤友昭氏(52)
自民党の新人・大内理加氏(62)
共産党の新人・三井寺修氏(45)
政治団体NHK党の新人・大貫学氏(67)

5人の顔ぶれ
5人の顔ぶれ

無所属の現職・芳賀道也氏の戦い

無所属・現職の芳賀道也氏。
「困っている人がいれば助けるのが当たり前の政治。そのことが全く行われていない」と話す。

日に日に増す野党の存在感。
芳賀道也氏は、第一声で政権批判を全面に押し出した。
国民民主・立憲民主の両県連と連合山形の統一候補として再選を目指す。

2019年7月の参院選で初当選し再選を期す芳賀道也氏。
2019年7月の参院選で初当選し再選を期す芳賀道也氏。

芳賀道也氏:
豊かな農村がなければ食料はなく、都会も暮らしていけない。
だから都会に住む大勢の人たちも農業はそして農村は大事だということを理解し合えるそうした政治・政策に変えていかなければならない。

<芳賀氏の訴え>
■消費税率の5%への引き下げ
■手取りを増やすなどの物価高対策
■米価の安定と農家への直接支払い強化…など

国民民主党・榛葉賀津也幹事長が山形入り。芳賀氏への支持を訴えた。
国民民主党・榛葉賀津也幹事長が山形入り。芳賀氏への支持を訴えた。

芳賀氏は国会で国民民主の会派に所属。
6日には榛葉賀津也幹事長が山形入りし、「芳賀氏を勝たせなければいけない。芳賀道也氏と一緒にこの山形をもう一回元気にしたい」と熱く呼びかけた。

心強い支援は増え、組織力は各段に上がった。それでも、芳賀氏は今回も「草の根」の強さにこだわる。
公示日翌日には2024年の大雨で甚大な被害があった戸沢村蔵岡地区を訪れた。
初当選から6年、地方の声を国政に届けようと駆け回る姿は選挙中も変わらない。

地方の声に耳を傾け国政に届けるべく県内各地を回る
地方の声に耳を傾け国政に届けるべく県内各地を回る

芳賀道也氏:
本当に私たちの主張に対して反応はいい。
一生懸命必死に訴えていって、おかしいことはおかしい、世の中を良くしようという声を訴えていきたい。

参政党の新人・佐藤友昭氏の戦い

参政党・新人の佐藤友昭氏。
「国民一人ひとりの意識が変われば、小さい1票でも集まれば、本気で日本を変えられる」と話す。

新しい風で、今の政治を変える。
佐藤友昭氏は「国民の政治参加」への強い思いを、第一声に込めた。
山形市で機械部品などの卸売業を営み、今回初めて選挙に挑戦する。

選挙に初挑戦する参政党・新人の佐藤友昭氏
選挙に初挑戦する参政党・新人の佐藤友昭氏

佐藤友昭氏:
日本と地域の農業を守る、これが一丁目一番地。
2番目が日本と地域の生活を守る。3番目に日本と地域の子どもを守る。

<佐藤氏の訴え>
■軸は党が掲げる「日本人ファースト」や「積極財政」
■税金・社会保険料を合わせた国民負担率の上限35%
■食料自給率100%
■10万円の教育給付金の配布…など

日本と地域の農業・生活・子どもを守る「日本人ファースト」を主張
日本と地域の農業・生活・子どもを守る「日本人ファースト」を主張

7日は神谷宗幣代表が応援に駆けつけた。
「『自民党がおかしい』と言うなら、裏金のような小さな問題ではなく世界規模の大きな変化に対して、国民が飲まれそうになっていることを指摘するのが野党の仕事じゃないですか。それをやってこなかった野党も不甲斐ない」と鼓舞した。

全国で吹き荒れる「参政党旋風」。SNSを駆使する戦略も的中し約400人が集まった。
熱い言葉に若い世代が耳を傾け共に声を上げる姿も。
「まずは投票を」と呼びかける思いは、着実に浸透してきている。

参政党・神谷宗幣代表が駆けつけ、山形市内中心部で聴衆に熱く語った
参政党・神谷宗幣代表が駆けつけ、山形市内中心部で聴衆に熱く語った

佐藤友昭氏:
今まで全然人がいなかったところに20人ほどが集まり、徐々に支持は広がってきている。
1人でも多く政策を聞いてもらい、共感してもらい、1票でも多く投票してほしい。

自民党の新人・大内理加氏の戦い

自民党・新人の大内理加氏。
「5年間仕事がしたくてもできない歯がゆさと悔しさを味わったが、一度もつらいと思ったことはない、途中で諦めようと思ったこともない」と話す。

山形のために「政治生命を捧げる」。
元県議の大内理加氏は2回目の参院選に挑む。4年前の知事選にも出馬し落選していて、「全県選挙」は3回目。

政治生命を捧げ、2回目の参院選に挑戦する自民党・新人の大内理加氏
政治生命を捧げ、2回目の参院選に挑戦する自民党・新人の大内理加氏

大内理加氏:
山形の美しい県土とインフラが傷つき、多くの人が苦労している。

大内氏が第一声の場所に選んだのは、2024年7月の大雨で甚大な被害があった酒田市の大沢地区。
地方の暮らしを守ることができるのは、政権与党である自民党と強調。

<大内氏の訴え>
■災害からの復興
■持続可能なコメ政策
■地方分散型の国づくり…など

地方の暮らしを守るのは自民党と強調
地方の暮らしを守るのは自民党と強調

公示日には知名度抜群の小泉進次郎農水相も来県し、酒田市のJA前では農業関係者に、新庄市のスーパー前では消費者に対し、備蓄米の放出をはじめとする「コメ政策」をアピール。

もちろん「大内氏が厳しいと言われている、そんなことは全くない。今回はこの大逆転劇にのってみようと、そんなワクワクする大内氏の必勝の選挙を共につくろう」と、大内氏への後押しを呼びかけた。

小泉進次郎農水相が来県し、庄内・最上エリアで「コメ政策」をアピール
小泉進次郎農水相が来県し、庄内・最上エリアで「コメ政策」をアピール

そのほか、森山裕幹事長も山形入りするなど組織力を見せつけている。
参議院の議席の奪還へ。背水の陣を総力を結集し駆け抜ける。

大内理加氏:
たくさんの人に手を振ってもらい、激励の言葉をもらい感激している。本当にありがたいこと。
1分1秒を惜しんで1人でも多くの人に会い握手して訴えていきたい。

共産党の新人・三井寺修氏の戦い

共産党・新人の三井寺修氏。「いま、お米の値段が高くなっている。子どものご飯のおかわりを我慢させているとの声が寄せられている。山形県でこんなことが続いていていいのか」と話す。

生活者の目線で訴え続ける三井寺修氏は、党の県国政対策委員長などを務めている。
6年前は現職・芳賀氏の支援にまわった共産党だが、今回は候補者の一本化は実現しなかった。

2024年の衆院選に続き、2回目の国政選挙に挑む共産党・新人の三井寺修氏
2024年の衆院選に続き、2回目の国政選挙に挑む共産党・新人の三井寺修氏

三井寺修氏:
暑い日が続いているが、街頭から・集まってくれたみなさんから「物価高騰を何とかしてほしい」と熱い声援をいただいて、私も元気いっぱい力も入って、演説もこれ以上磨きをかけて頑張りたい。

政策の浸透を図ろうと、選挙期間中に県内のほぼすべての市町村をまわる計画で、街頭演説の「数」で勝負する。
また三井寺氏は、政治家を目指す原点となった平和憲法を守る選挙にしたいと考えている。

県内35市町村のほぼすべてをまわり政策の浸透を図る
県内35市町村のほぼすべてをまわり政策の浸透を図る

公示日翌日には党本部から小池晃書記局長が応援に駆けつけた。
「この山形選挙区は、自民党と自民党に助け舟を出す補完勢力候補と真っ向勝負の選挙。野党の・市民の代表と言える候補者はこの山形では三井寺修氏しかいない。どうかみなさんの力で必ず押し上げ勝たせてほしい」と、支持を訴えた。

<三井寺さんの訴え>
■消費税5%への減税・将来的な廃止
■最低賃金の時給1500円以上への引き上げ
■農家を支える価格保障・所得補償の実現…など

共産党本部から小池晃書記局長が来県し応援演説
共産党本部から小池晃書記局長が来県し応援演説

政権批判を一層強め、中盤戦に向かう。

三井寺修氏:
自公政権が過半数を維持できるのか、これが大きな焦点になっている。自民党政治ではダメだということを訴えて、街頭演説を中心にして日本共産党の政策をていねいに訴えていきたい。

NHK党の新人・大貫学氏の戦い

NHK党・新人の大貫学氏。「NHKをぶっ壊す! 過激なことはあまり言いたくないが、一応キャッチフレーズとしてぶっ壊すと言っている。本気で・感情的になってやっているわけではない」と話す。

大貫学氏は栃木・那須塩原市出身。
市内の農業高校を卒業後、東京で造園業などに従事したあと2011年に栃木に戻り、現在はコメを作る専業農家を営んでいる。

選挙初挑戦のNHK党・新人の大貫学氏
選挙初挑戦のNHK党・新人の大貫学氏

NHK党の公認を受け立候補した大貫氏は、選挙への出馬は初めて。

主な活動はテレビやラジオでの政見放送のほか、7月2日と公示日当日に、報道陣に向けて行なった会見や取材を通し、有権者に判断してもらうとしている。

県庁前で、報道陣に向け熱く語ること40分超え
県庁前で、報道陣に向け熱く語ること40分超え

大貫学氏:
核戦争が起きようとしている世界の状況の中で、全然核兵器の怖さについて出てこない。
それをやっていた政党がたくさんいたが。

<大貫さんの訴え>
■平和憲法の維持
■核兵器の保有の反対…など

平和憲法の維持・核兵器保有の反対を強く訴えている
平和憲法の維持・核兵器保有の反対を強く訴えている

公示日翌日からは普段通りに栃木で農作業をしながら生活し、基本的に選挙運動は行わないとしている。

大貫学氏:
争点が減税・裏金・手取りを増やすことなどに集中しているが、誰か一人でも平和憲法を守るんだという人が出てこなければいけないと感じ立候補した。

参院選の投開票は7月20日。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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