「鈴木敏夫とジブリ展」が、愛知県長久手市の愛・地球博記念公園で2025年7月12日から始まります。宮崎駿監督と一緒に映画を作ってきた鈴木プロデューサーにスポットを当て、作品の世界に入りこめるスポットや、作品誕生の秘密を紐解く展示などの内容になっています。
■鈴木敏夫さんのルーツが詰まった会場に
会場には、名古屋出身のスタジオジブリ・鈴木敏夫プロデューサーのルーツがずらりと並んでいます。プロデュースしたジブリ作品の資料や、手書きのメモ、ジブリ作品の誕生秘話を解き明かす展示の数々です。
「鈴木敏夫とジブリ展」はこれまで全国10カ所で行われていて、11回目で最後となる会場は、鈴木さんの故郷・愛知になりました。
幼いころから今に至るまで、とにかく夢中になった漫画や小説など様々なジャンルの本およそ8000冊、1万本に至る映画など、プロデューサー・鈴木敏夫さんが体験してきた作品の数々が展示されています。
鈴木敏夫さん：
「本は僕にとっては友達でした。一日に一回、活字に目を通さないと夜眠れない。それは小学校以前からあったんじゃないかな」
■その名も「ガブリ」宮崎駿監督がデザインしたドラゴンズのキャラが…
鈴木さんといえば、子供の頃から大の中日ドラゴンズファンとして知られていて、今回は特別にドラゴンズコーナーが作られました。
鈴木敏夫さん：
「みんな僕が持っているモノなので、盗まれないようにしたいですね。いろいろな機会にいただいたものがほとんどですね」
ドラゴンズのマスコットキャラクターといえばドアラですが、実は宮崎駿監督がデザインしたキャラクターがいます。その名は「ガブリ」です。
鈴木敏夫さん：
「ガブリはね、ちょうどその年、中日がすごく頑張っていたので、僕も宮さんに頼みやすい。それで宮さんが『じゃあ、やろう』と。何らかのかたちで検討されるかなと思っていたら、知らない間にドアラになっちゃうんですよね…という衝撃の事件があって」
色々な経緯があったようですが…。
鈴木敏夫さん：
「今度、新しく（ドラゴンズの）ファンクラブを作る。そのアイキャッチのキャラクターとして復活したという経緯がありました。僕ははっきり言ったんですよ。ドアラ本の取材を受けた時に『僕は生涯、ドアラを許さない』と」
ガブリのモデルは、神主打法の落合博満さんです。会場では、貴重な宮崎監督の原画も展示されています。
■愛知限定の展示『千と千尋の神隠し』
今回、愛知のためだけに作られた特別な展示があります。『千と千尋の神隠し』に登場した湯屋と不思議の町。
主人公の千尋が迷い込み、両親が豚になってしまった、あの町です。
この町を作ったのは静岡の空間デザイナー・南條充さんで、映画には描かれていない部分もイメージを膨らませて形にしました。
南條充さん：
「この町並みって和洋折衷全部入っている。かわいらしくもあり、怖くもあり、全部がぐっちゃぐちゃになった町」
会場に置かれている道具は、実際に持って記念写真を撮ることも可能です。
南條充さん：
「ここはフォトスポットだから、持って撮るのが楽しいと思うので、それはやりたかったですね」
さらに特別な仕掛けもあり、時間とともに街の雰囲気が変わります。昼と夜を表現していて、町の様子がらりと変わるため、没入感も味わえます。
そして、町を彩る赤い灯りは地元の伝統工芸品・名古屋提灯です
南條充さん：
「ちょっと汚してあります。真っ赤になっちゃう、最初に提灯に目がいっちゃって、人間の提灯、『盆踊りだ』みたいになっちゃうのが嫌で。見たことがない提灯にしたかったです。だから、字がいっぱい書いてあってもダメだし。お店には『おいでおいで』って書いてありますけど。そればっかりだと、歓迎されていない町なので、人間が。書かない方がいいというのは考えました」
「鈴木敏夫とジブリ展」は、7月12日から9月25日(木)まで愛・地球博記念公園で開かれます。
（東海テレビ）
