6月に発生した山形新幹線E8系のトラブル。以降、山形発・東京行きの直通運転を取りやめるなど、利用者にとって不便な状況が続いている。7月に控える3連休や夏休みを前に、JR東日本は7月19日から直通列車を3往復に増やし、E5系と連結した17両編成の「やまびこ」として運転する新ダイヤを発表。利用者の不安や不便は解消されるのか?

■乗り換えのため徒歩4分の移動

7月11日午前7時半過ぎ。福島駅の在来線ホームに入ってきたのは、東京行きの始発の山形新幹線だ。このまま東京へ向かうには、一度新幹線を降り、駅3階にある新幹線ホームに行かなければならない。乗り換えのために4分ほど歩く必要がある。
利用者は「乗り換えのためコンコースまで降りて行くのを見ると大変だと思う」と話す。


■また止まるのではという不安も

2025年6月17日、山形新幹線の新型車両「E8系」で相次いだ故障。JR東日本は、現在まで山形発・東京行きの直通運転を取り止めているほか、一部の列車の運休を続けている。(2025年7月11日時点)

故障の発生から3週間以上経つものの、原因が特定できず、復旧の見通しが立たない山形新幹線。この状況に利用者は「7月末に山形に行く予定で、ちょっと心配。列車が動くかどうか」と話し、不安を感じていた。

■乗り換えの手間はダイヤの乱れに

いま課題となっているのは、乗客の乗り換えの手間。ホームの移動に時間がかかるため、そのぶん他の列車の発車が遅れ、ダイヤの乱れにもつながっている。

山形から福島に来たという女性は、山形新幹線のダイヤ乱れていたため、福島まで車で来て福島駅から新幹線に乗るという。


■新ダイヤで課題解消なるか

いまの課題は2つ。一つは「乗客の乗り換えによって発生する手間と他の列車の遅れ」、もう一つが「乗り換えた先の車両が混雑すること」だ。

7月11日に発表された、7月19日からの新たな臨時ダイヤは、これらを解消するため2つの変更点がある。
まずは「乗り換え」の問題。山形から東京への直通列車を、これまでの【1往復から3往復に増やす】こと。これで乗り換えの手間や列車の遅れが軽減される。
そして「混雑」対策。故障が相次いだE8系は単独での運転ができないが、これを東北新幹線のE5系と連結して17両編成に増やす。こうすることで、車内の混雑がある程度緩和される。

JR東日本は沿線の住民や企業からの要望や、夏休みに利用者が増えることからこの臨時ダイヤを発表した。E8系の故障について原因究明の見通しが立っていないことから、少なくとも7月中はこの対応を続けるとしている。あくまで応急の措置なので、この夏の行楽シーズンも影響が続きそうだ。

福島テレビ
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