静岡・伊東市の市長の学歴詐称問題を調べる百条委員会が開かれました。
今回、当初より前倒しでの開催になりましたが、そこにはある理由があるとみられています。

11日朝、静岡県の伊東市役所に赤い車で登庁してきたのは、学歴詐称問題の渦中にいる田久保眞紀市長です。

伊東市・田久保眞紀市長:
(Q.きょう百条委員会当日だが心境は)議会の報告を待ちたいと思います。

11日、市議会で行われた百条委員会の初会合。
実際は東洋大学から除籍されていたにもかかわらず、市の広報誌に卒業と記載された経緯などについて市の職員に対する証人尋問が行われました。

伊東市・秘書広報課課長:
(市議会)議員時代の資料などをもとに(履歴の)作成をしておりました。(Q.大学卒業の記載は間違いなくあった?)私の記憶の中には卒業とは書いていなかったと思うんですが、卒業証書を見せてくださいとお願いしていて、6月4日に見せていただいたので、最終的に卒業で問題ないだろうという形で、(記載の)判断いたしました。

この時、秘書広報課長と市長との間で、次のようなやり取りがあったといいます。

伊東市・秘書広報課課長:
コピーをとらせていただくことは可能ですか?というご相談をしたんですが、「そこまでは必要ないんじゃないか」ということで。今までの市長には、そういうことを求めたことがなかったということで、私が拝見しただけで確認とさせていただいた状況であります。

そのころ、11日は百条委員会に出席する予定がなかった田久保市長は、イタリアから来ている交換留学生の表敬訪問を受けていました。

そこでは、写真撮影で笑顔を求められたものの、本人は硬い表情のままでした。

その後、百条委員会の初会合を終えた市議会の中島議長らが市長に書面を手渡し、これまで示してきた卒業証書を18日の午後4時までに提出するように求めました。

なお、市議会によりますと、田久保市長に手渡された書類には一部不備があったため、その後、差し替えられたということです。

伊東市・田久保眞紀市長:
百条委員会で出したものについても、しっかりと受け止めまして、検討していきたい。

伊東市議会・中島弘道議長:
その卒業証書が万が一偽物だということが分かったら、確認するために市長に出席してもらうことはあるかと。

田久保市長が問題の卒業証書などを検察に提出する考えを示したのを受け、急きょ11日に初会合が行われることになった百条委員会。

議会側の意図について、法政大学大学院・白鳥浩教授は「検察に(卒業証書などの)証拠書類が出されてしまいますと、議会などの側で確認するというのが非常に手続き的に難しくなっていく可能性っていうのが十分考えられる。議会が今回先手を打っている」と話します。

次回の百条委員会について、中島議長は卒業証書の提出を受けてから日程を決めるとしています。

テレビ静岡
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