福島県郡山市の病院では急病患者の命を救う新たな試みが始まった。

■ドクターカーの運用始める
「60代男性の、きのうから無意識。きょう気付いたら意識なくて呼吸はしている」
一分、一秒を争う医療の現場。郡山市の総合南東北病院では、6月から救急車に医師や看護師が一緒に乗り込みいち早く治療にあたるドクターカーの運用をスタートさせた。
隊員:「先生、日和田救急隊です。じゃあお願いします」
救急隊とともに医師が直接現場に行くことで、通常の救急搬送と比べて、治療開始までの時間を半分ほどに短縮できるという。

■一命をとりとめた男性
この日、意識もうろうとした状態で病院に救急搬送された60代の男性。エアコンのない部屋でぐったりとしていて危険な状態だった。
総合南東北病院・救急集中治療科の比留間孝広(ひるまたかひろ)医師は「おそらく熱中症からくる脱水なのかなとは思います。心電図とかの変化も出ていたので、やはり早期に治療介入できて良かったのかなと思います」と話す。
病院に到着する前に、医師が点滴などの治療にあたり、男性は一命をとりとめた。

■ドクターカーの運用増へ
特に緊急性の高い場合に出動するドクターカー。現在は週に1度の出動だが、病院では、医師の勤務体制を整えて、今後週に2度の出動を予定している。
総合南東北病院の比留間医師は「重症患者さんがいち早くここ(病院)に着いて、実際助けられた患者さんもいるので、そうですね、どんどん運用できればなと思います」と話した。

このワークステーション、消防の救急隊員にとっても、医師のもとでの実習を通じてより高度な医療知識を身につけられるというメリットがあるということ。地域医療のさらなる向上につながることが期待されている。

福島テレビ
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