高い透明度の海に白い砂浜が魅力的なビーチ。
まるで南国のようなこの場所は、福井県にある“北陸のハワイ”と呼ばれる島です。

この島が来週、海開きとなるはずでしたが、肝心の島に行くことができないというのです。

“北陸のハワイ”と呼ばれているのは、福井・敦賀市の敦賀湾に浮かぶ無人島の水島。
周囲が約800メートルの小さな島です。

浅瀬でもたくさんの魚を見ることができ、夏には家族連れなど毎年約2万5000人の海水浴客が訪れる人気の海水浴場です。

9日、敦賀市では2025年一番の暑さとなる最高気温36.2度を観測。
2025年初の猛暑日となりました。

本格的な夏の到来を告げる暑さとなる中、水島では15日に今シーズンの海開きを迎えるはずでしたが、島に通じる唯一の旅客船の運航が延期される事態に。

水島への旅客船を巡っては、2024年、運航会社の「近江トラベル」で、船体に亀裂や浸水があったにもかかわらず、乗客を乗せて運航を続けていた問題が発覚。
会社らが略式起訴されました。

近江トラベルでは、5月下旬に新しい船を購入し、従来からあった船との2隻体制に。
再発防止に努めたうえで海開きを迎えるはずでした。

しかし、購入した船については、国交省からの運航許可が間に合わず、運航の延期をせざるを得ないというのです。

6月には地元の住人らが水島で清掃活動を行うなど、海開きに向けて準備を進めていました。
参加者は「水島がきれいになって、来てくれる人が多くなればいいなと。敦賀の魅力を知ってもらいたい」と話していました。

海開きまで1週間を切った中での延期に、近くで旅館を構える人からは悲痛な声が聞かれました。

周辺の旅館の人は「延期どころかわからないという話だから、本当に来てもらえないと本当に困ります。この夏だけで1年くらい過ごすくらいの売り上げなので」と話します。
旅館にとっては海開きのシーズンが一番の書き入れ時でしたが、旅館の人も「水島が全てなので。それでなんて言ったらええんかな…。出てこないや、言葉が」と話しました。

別の旅館は、「イット!」の取材で船の運航延期を知ったといいます。

ビーチコンバーオーナーは「きょう初めて知ったので、お客さまも知る由もないし。水島目的で、お客さんいらっしゃるので、それがないと打撃は大きい。影響は大きいです」と話しました。

多くの人が待ち望む“北陸のハワイ”の海開き。
近江トラベルは「許可が下り次第、運航を始めたい」ということです。