アメリカ・テキサス州で4日、1時間300mm超の豪雨で川の水位が一気に8m上昇した。この洪水で少なくとも82人が死亡、41人が行方不明となっている。
また、欧州は記録的熱波でビスワ川やドナウ川が枯渇寸前となっている。フランス・パリのセーヌ川では、5日から約100年ぶりに遊泳再開された。
洪水が発生…サマーキャンプ中の少女ら10人行方不明に
世界各地で異常気象が相次いでいる。アメリカ南部テキサス州では、集中豪雨で洪水が発生し80人以上が死亡した。
一方、ヨーロッパ各地では記録的熱波が続いている。

テキサス州で4日に発生した洪水の発生当時の様子を捉えた映像を見ると、わずか数分の間に、水位が急激に上昇し、道路があっという間に水没した。
増水した川を目の当たりにした住民は、こう話す。
住民:
そこは、元々全部木が生えていた。そこには道があった。これはひどい、なんてことだ。
増水した川の勢いは激しく、水位は橋の真下にまで迫っている。降水量は、1時間に300mm以上で、テキサス州を流れるグアダルーペ川の水位は、わずか45分間で一気に約8m上昇したとみられている。住民が撮影した映像には、大量の泥水が家の中にまで流れ込む様子が記録されていた。
現場では、ヘリコプターによる懸命の救助活動もあった。被害に遭った住民はこう話す。

住民:
大惨事です。恐ろしかった。たくさんの苦しい経験をしてきたけれどこんなのは初めて。町全体が全壊しました。
現地のメディアは、この洪水による死者を少なくとも82人になったと伝えている。

州知事によれば、合わせて41人が行方不明で、その中には川の近くでサマーキャンプをしていた少女10人も含まれているという。

少女たちが過ごしていたキャンプ場は、大量の水が流れ込んだとみられ、泥まみれだ。現場はキャンプ場が密集する地域で、7月4日の独立記念日の連休を利用して多くの人が訪れていた。
トランプ大統領はアメリカ・ニュージャージ州で6日、大規模災害にあたると宣言し、捜索や救助を支援すると表明している。
トランプ大統領:
これは100年に1度の大惨事で、見ているだけで恐ろしい。
救助活動の邪魔にならないよう時間をおいて、11日にも現地を訪れる考えを示した。

一方、記録的な熱波に見舞われているヨーロッパでは、各地で川の水位が低下している。ポーランドのビスワ川は記録的な低水位になった。通常の水位は105cmから250cmほどだが、4日には過去最低の19cmにまで下がったという。
また、ハンガリーではヨーロッパで2番目に長いドナウ川も水位が低下し、一部で川底が見えてしまう状態になっている。
この影響で貨物船に乗せることができる荷物が、通常の3割から4割程度に制限され、輸送に支障が出ている。
102年ぶりにセーヌ川で遊泳解禁…無料開放も大腸菌に不安
こうした中、フランス・パリを流れるセーヌ川では、約100年ぶりに解禁された事があった。

取材班:
エッフェル塔の麓セーヌ川で、5日から遊泳が出来るようになりました。多くの人が詰めかけています。
水質悪化などで1923年以降泳ぐ事が禁止されていたセーヌ川で5日、102年ぶりに遊泳が解禁された。

2024年8月のオリンピック・パラリンピックではトライアスロンなどの会場になったセーヌ川で、国やパリ市は大会に合わせ、水質の改善を進めてきた。
しかし、水質検査が基準値を満たさず一部の競技が延期になったほか、複数の選手が体調不良を訴えるなど問題になった。今回の遊泳解禁の後も、こんな事態が起きていた。
取材班:
遊泳エリアに、ゴミが流れているのが確認できます。
それでも飛び込んだ人たちはこう話す。
泳いだ人:
こんな場所で泳げるなんて最高。まさか泳げるなんて思ってもいなかった。
泳いだ人:
水を飲むのは避けましたが、それ以外は特に問題は感じなかった。

泳げるのは川の3カ所だけで、8月末まで無料開放される。ただし、大腸菌の測定結果などによっては遊泳できなくなる日もあるという。
(「イット!」7月7日放送より)