ハンセン病元患者の男性が「特別法廷」で裁かれ、死刑となった菊池事件の再審・裁判のやり直しをめぐり新たな動きです。7日開かれた熊本地裁、検察、弁護団による3者協議で、地裁が「再審を開始するかどうか来年1月末までに判断する」と検察、弁護団双方に伝えたことが分かりました。

【弁護団・徳田 靖之共同代表】
「〈とにかく再審開始決定をもらえれば理由はどうであってもいい〉というのが率直な思い」

『菊池事件』は今から約70年前、殺人などの罪に問われたハンセン病元患者の男性が公開の法廷ではなく、菊池恵楓園や隔離先の旧菊池医療刑務支所に設置された
『特別法廷』で裁かれ、死刑となったものです。

この事件をめぐっては、2020年、「特別法廷での審理は憲法違反」とする熊本地裁判決が確定し、その翌年、男性の遺族が熊本地裁に裁判のやり直し、いわゆる『再審』を請求。これまで裁判官、検察官、弁護団による3者協議が進められてきました。

弁護団は凶器と親族の供述について男性が無罪であることを示す鑑定書を新たな証拠として提出。

また、専門家の意見書や証人尋問から「当時の刑事裁判手続きは憲法違反で再審の理由になる」という「憲法的再審事由」を主張し、再審開始を求めました。
そして、7日行われた3者協議終了後、弁護団が会見を開きました。

【弁護団 徳田 靖之共同代表】
「菊池事件再審請求では、裁判所がハンセン病隔離政策に加担した加害責任が問われているのだと話した。パーフェクトな形では憲法的再審事由を認めた上で男性が無実と認めてもらう、完全な再審開始決定をもらいたい」

弁護団によりますと、3者協議は7日で終結。熊本地裁が協議の場で「再審を開始するかどうか、来年1月末までに判断する」と検察、弁護団双方に伝えたということです。

テレビ熊本
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