7月20日に投票が行われる参議院選挙。そもそも街で見かける選挙運動とはどんなものなのでしょうか。元衆議院議員の林宙紀さんに選挙が身近に感じられるポイントを聞きました。キーワードは「推し活」です。

戦いの火ぶたが切られた夏の政治決戦。公示後初めての週末を迎え、宮城県内でも各候補者による“熱い舌戦”が展開されました。改選定数1の宮城選挙区には現職1人と新人6人のあわせて7人が立候補しています。

長引く物価高に、トランプ関税…。コメ価格高騰に、加速する少子化…。今回の参院選でも私たちの日常生活に深く関わる政策で、論戦が交わされています。

しかし、街ではこんな声も…。

街の人
「そもそも選挙行ってないので、自分の時間優先しちゃって」
「誰に投票したらいいんだろうとかなっちゃって、そういうところが難しいです」
「どこから選ぶ情報源をもってきたらいいのか分からないです」

公益財団法人、明るい選挙推進協会が去年10月の衆院選で行った意識調査では、投票に行かなかった人の理由として、「適当な候補者や政党がない」が26.5パーセントで最も多く、次いで「選挙にあまり関心がない」が24.3パーセントに上りました。

選挙そのものに関心を持ってもらうには。

元衆議院議員の林宙紀さんに街の選挙運動を素通りしないポイントを聞きました。

元衆議院議員 林宙紀さん
「私はいまふうに言うと、選挙は“推し活”だと思っている。皆さんがどの候補者を代表にしてもいいなって思えるか。そういうつもりでいろんなものを見ていくと、結構楽しいポイントがたくさん見つかる」

まず向かったのは、ある候補者が商業施設前で行っていた街頭演説。そもそもなぜ、ここが街頭演説の会場になったのでしょうか。候補者の目線で分析してもらうと…。

元衆議院議員 林宙紀さん
「非常に交通量の多いところを選んでいる。何をやりたいかといえば、基本、車で通行する人たちに存在をアピールする。いかにして『あそこにあの人いたね』とか、『あの名前見たことある』という状況を作れるかが大事」

まずは知ってもらうことが大切だそうです。では、有権者の目線ではどうでしょうか。林さんは、選挙そのものに興味を持ってもらうため候補者の訴えはもちろんですが、その場の雰囲気を見ることも一つのきっかけになると話します。

元衆議院議員 林宙紀さん
「手を振っている人がたくさんいるとか、みんなクラクション鳴らしていくけど何でなんだろうとか、いろんなところに気づくと思う。そういうふうに見るとこれは何の意味があるんだろう。でも意味があるからやってるんだろうねとか、選挙に興味が湧いてくると思う」

続いてやってきたのは選挙ポスターの掲示板。県選挙管理委員会によりますと、県内には5301カ所あるということです。

元衆議院議員 林宙紀さん
「基本的には色合いや候補者の顔写真が大きくのっているので、みなさんどれにピンとくるか見てほしい」

今回の参院選は、ポスターに一定の品位を求める改正公職選挙法が施行されてから初めての国政選挙となります。ポスターは街で見る選挙戦の中で最も身近なことから、林さんは候補者の「人柄」を知る入り口にもなると指摘します。

そして、最後に見てもらったのは仙台市中心部でのいわゆる“練り歩き”。

元衆議院議員 林宙紀さん
「握手しながらとか、同じ目線で話すというのは、皆さんと同じ立場に立っているというアピール。候補者がどういう表情して、どういう動きをしているか、見てみると結構面白い。あと雰囲気。明るいなとか、ちょっと重々しい雰囲気をだしてるなとか。その政党とか候補者によって全然カラーが違うので」

1票を投じる理由は人それぞれです。候補者が所属する党の活動や政策。候補者の政策や主張、そして人柄。林さんはさまざまな判断材料をもとに、まずは1票を投じることが何より大切だと話します。

元衆議院議員 林宙紀さん
「政党がどことか、主義主張がどうとか、もちろん大事なんですけど、それ以上に写真でもいいし、チラシでもしゃべり方でもいいし。見たときになんか引き込まれるものがあると思えば、その人を推せばいい。自分が誰が推せるのかまず考えてもらえればいい」

仙台放送
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