トカラ列島近海を震源とする一連の地震は6日も震度5強を相次いで観測するなど、いまだ収束の気配がありません。

鹿児島県十島村の悪石島では、がけ崩れや落石などの被害も明らかになっていて、島民の避難が進んでいます。

こちらは十島村が悪石島のやすら浜港に設置している定点カメラの映像です。

6日午後2時1分と7分に相次いで震度5強が観測された直後、画面の右奥に砂煙が上がっているのが確認できます。

がけ崩れが発生したとみられています。

十島村によりますと、島の複数の場所でがけ崩れが確認されたほか、直径1.6メートル以上の落石などの被害が確認されたということです。

6月21日以降、トカラ列島近海を震源とする群発地震は、震度1以上の地震が7日だけで午後5時までに48回、合計で1600回を超えています。

そのうち震度6弱が1回、震度5強が3回、震度5弱が4回と強い揺れが頻発しています。

終わりの見えない地震に、十島村は希望する住民の島外避難を実施。

7月4日には悪石島の住民13人が、また6日は悪石島と小宝島の住民あわせて46人が鹿児島市に避難してきました。

悪石島から鹿児島市へ避難・有川美香さん
「ゆっくりと眠れるのが一安心。ゆっくり寝たい」
「地震がずっと続くのが不安で、夜も眠れない」
「また大きい地震が起きるかと思うと、本当に不安だった」

その一方で、畜産業を営むなど避難が難しい人もいて、7日現在で悪石島に23人、小宝島に41人の住民が残っています。

村は今後、希望があれば追加の島外避難を検討するということです。


7日で地震発生から17日目ということになりますが、こちらは地震発生から7日までの震度1以上の地震の日ごとの回数です。

発生3日目に最多の183回を観測し、その後減少しますが、6月終わりから再び増加、7月に入ってからは連日100回を超え、3日には震度6弱を観測しました。

17日目となる7日は午後5時までに48回となっています。

終わりの見えない群発地震ですが、ここで興味深いデータがあります。

こちらは今回のトカラ列島の群発地震がどこで起きたかを示したものです。

緑色は群発地震が始まった6月21日から7月2日の朝までに起きた地震の箇所です。 

続いて青色は、7月2日から3日の朝にかけて起きた地震の場所です。

それまでよりも南西側に地震が起きる場所が移り、小宝島では震度5弱を観測する地震が起きました。

そしてさらに赤色です。これは7月3日の朝から7月7日にかけて地震が起きた場所です。

最初の緑のエリアよりも悪石島寄りの場所で地震が起きているのが分かります。

NPO法人 環境防災総合政策研究機構・草野富二雄さんによりますと、地震が起きる場所がより悪石島に近いため、悪石島で震度6弱や震度5強など揺れの大きさも増しているのではないかということです。

鹿児島テレビ
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