東京電力は7月7日、リサイクル燃料備蓄センター(青森県むつ市)への使用済み燃料の搬入・搬出計画の検討状況について「東京電力と日本原子力発電の2社の合計で少なくとも4,000~4,500tの貯蔵容量が必要」と、青森県とむつ市に報告した。
東京電力によると、このうち東京電力分については、
■福島第一原子力発電所5・6号機及び共用プール
■福島第二原子力発電所
■このほか少なくとも3基が稼働すると想定
の条件の下で搬出量を見積もり、全体の5分の4程度、3000tあまりにあたると想定される。

なお、福島第一原発の1~4号機の使用済み燃料については、放射線量や輸送の安全性を含めた燃料の健全性を確認中としていて、引き続き技術的な検討を行う。
また、搬出時期は未定としていて、稼働想定されている3基についてはあくまで今回の検討のための前提条件だとし、具体的に特定の原子炉を指しているわけではないとしている。


原子力発電で一度使ったウラン燃料を再処理し、再び原子力発電の燃料としてリサイクルする「原子燃料サイクル」。再処理までの間は使用済み燃料を発電所敷地内で貯蔵するものの、スペースが足りなくなった場合のために、発電所以外で貯蔵・管理する中間貯蔵施設が必要となる。そのため、青森県むつ市に「リサイクル燃料備蓄センター」が建設されている。
センターでは事業開始後、徐々に搬入量を増やし、2030年代には年間200~300tを搬入する計画。貯蔵期限の50年目までにすべての使用済み燃料の搬出が完了するように、年間約300tを、2026年度に竣工予定の日本原燃再処理工場(青森県六ヶ所村)に搬出すると想定している。

東京電力は今回のリサイクル燃料備蓄センターへの搬入計画は中間報告だとしていて、「様々な変動要因と不確実性などがあることから検討に時間を要している」として、最終的な取りまとめの時期は未定としている。


福島第一原子力発電所からの核燃料の搬出をめぐっては、東京電力が、6号機に貯蔵されていた核燃料のうち、米国で製造された未使用の燃料56体を2025年度下期から米国工場に搬出する計画を公表している。2011年の事故後、未使用の燃料も含めて、核燃料が福島第一原発の敷地外に搬出されるのは初で、2026年度までに56体の搬出を完了する計画としている。

福島テレビ
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