飲食店に予約の電話をかけ、架空の仕入れ業者などを紹介して金をだまし取ろうとするいわゆる「ドタキャン詐欺」が県内でも発生しています。高額なワインを買うよう連絡を受けた店長が当時の状況を語りました。
【中島店長】
「18時に佐藤様6名様でコースを頼みたいと」
6月26日、佐賀市のレストランにかかってきた1本の電話。“佐藤を名乗る男”から、翌日に1万1000円のコースを予約したいという内容でした。ところが…
【中島店長】
「丁寧な口調で『責任者の方ですか?』と聞かれたので、『はい』と答えたら、ラインを交換したいと言われました」
予約客にライン交換を求められたのは初めてという店長。求めに応じ、ラインでやり取りを始めるとこんな注文が。
「会社を紹介するので1本25万円のワイン4本を仕入れてほしい」
客に喜んでもらいたい気持ちで、指定された業者に電話したといいますが…
【中島店長】
「業者さんも振込先とかをラインで送りたいから、ラインを交換してくださいと言われました」
ワインが高額だったことやラインでのやり取りを不審に思った店長。
“佐藤を名乗る男”にワインの仕入れを断ったといいます。
【中島店長】
「もう一度ラインを見たんですよ、そしたらみんなメッセージが消去されてました」
電話やラインもつながらなくなり、結局、予約時間になっても客6人は現れませんでした。
全国で相次いでいる、いわゆるドタキャン詐欺。
架空の仕入れ業者を紹介し、金をだまし取るのが、狙いと見られます。
実際に、“佐藤を名乗る男”に電話してみると・・・。
【大川内リポート】
「先ほどから電話をかけていますが、つながりません」
【中島店長】
「今材料費も高いし、人件費も高いし、せっかく一生懸命作った料理を無駄にされて残念です」
県警察本部によると、県内ではこのほかにも、佐賀市内で同様の被害の報告が寄せられているほか、FNNの調べでは長崎県や熊本県など九州各地で不審電話が確認されています。
警察は、電話からSNSに誘導する手法は詐欺によくある手口として注意を呼び掛けています。