福岡市の福岡女子大学は3日、2029年度の入学者から「トランスジェンダー学生」の受け入れを決めたと発表しました。
大学によりますと、受け入れの対象となるトランスジェンダー学生は「出生時の戸籍は男性でジェンダーアイデンティティは女性の学生」で、2028年度に学部や研究科を受験し、2029年度に入学する学生から受け入れを始めます。
多様な女性のあり方を尊重するため、出願資格の「女子」にトランスジェンダー学生を含むことにしたもので、2022年5月から学内の検討チームで情報収集などを進め、2023年5月から外部専門家による研修会や学生との意見交換会などをへて決定したということです。
今後、2026年秋に受け入れガイドラインや出願資格審査手続きについて公表する予定で、あわせて、1年生に義務付けている全寮制教育への対応や相談体制の構築などの環境整備を進めることにしています。
向井剛学長は「公立大学として女子高等教育を行う本学が、女性の多様なあり方を包摂する歩みを進め、志あるすべての女性に本学固有の学びへの扉を等しく開いていくことは、一つの使命であると考えます」「新しい環境での学びは、本学が標榜する感性豊かでグローバルマインドを持つ人材の育成とともに、多様性を包摂する社会の実現に貢献するものと信じます」とコメントしています。
福岡女子大学は1923年に福岡県立女子専門学校として開校し、これまでに1万5000人を超える卒業生を輩出しています。