この暑さですが、今年の梅雨明け非常に大きな特徴がありました。
みなさん覚えていますか?
【加藤キャスター】
「やっぱり早さですね。6月のうちにっていうところは驚きました」
そうなんです。
まさにテーマは「異例の早さの梅雨明け…なぜ」。
今後の検証でこのまま確定すれば、中国地方の6月中の梅雨明けは統計史上初めてで、最も早い梅雨明けとなります。
なぜそのような状況に至ったのか。
いつもの天気図よりはちょっと広めの地図を使って紐解いていきたいと思います。
梅雨明けというのが、まずどういう状態なのか。
日本の南にある夏の空気の塊「太平洋高気圧」が勢力を日本の方までぐぐっと広げて覆われた時に、梅雨明けの判断材料のひとつとなってくるわけです。
太平洋高気圧の勢力の強さを紐解くと、この異例の早さの訳がわかるということになっています。
そもそも太平洋高気圧なので、この文字どうり高い空気の圧、上空から地面に向かって空気が押し込んでくるように、空気の圧が高いんです。総じて空から地面に向かって下降する流れになっています。この下降の勢いが強ければ、高気圧としても勢力が強いということなんです。
では、なぜ強さにつながっていったのか。
もう一つの特徴が、この広い地図の中に隠れています。それが日本から南に離れた、この辺り熱帯地域にポイントがあります。この辺りの海は海面温度の高い状態が続いています。空気も水蒸気もどんどん湧くようにして上昇気流が起きやすくなっています。
上昇と下降で、相対するものに一見見えますが、この両者の関係を動かして横から見て行きたいと思います。横から見ると、両者が比較的近いところに並んでいて、まずは上昇気流、空気が熱帯地域から上昇しますが、空気の上がる高度には限度があります。その限度まで達すると空気は周辺に降りてきます。もともと、気圧の高い太平洋高気圧の上にさらに空気が乗っかるようにして高気圧として勢力が増す。結果的に梅雨明けの早さに繋がった。
今年の暑さは長期戦です。皆さんでしっかりと備えて行きましょう。