袋井市に住む中国籍の男子高校生に暴行を加えてケガをさせた上、車のトランク内に監禁し、浜名湖畔の川に投げ捨て溺死させた罪に問われているフィリピン国籍の男の裁判員裁判で、7月1日は被告人質問が行われ、男は「被害者に謝りたい」と口にする一方、「殺すつもりはなかった」と改めて殺意を否定しました。

傷害・監禁・殺人の罪で起訴されているのはフィリピン国籍で浜松市に住む無職の男(19)で、2024年2月、懲役17年の判決を受けた無職の男(22)と共に袋井市に住む中国籍の男子高校生(当時17)の顔や体を殴ったり蹴ったりしたほか、ガラス製の酒瓶で頭を2回殴打し、体を数回にわたって十字レンチで殴った上、後頭部をコンクリート製の輪留めに打ち付け、意識を著しく低下させるケガをさせたとされています。

また、瀕死状態の高校生を車のトランクに押し込んで監禁し、移動した先でも顔面を複数回蹴ったほか、頭を3回地面に打ち付け、最後は浜名湖につながる川へ突き落として溺死させた罪にも問われています。

7月1日に行われた被告人質問では、まず弁護人から促される形で被告が「被害者に謝りたいです。ひどい暴力をふるって痛い思いや怖い思い、ひどい思いをさせた上に死なせてしまって申し訳ないと思っています」と述べました。

続いて明らかになったのは事件に至った経緯です。

被告によれば、男子高校生とは初対面でしたが、悪酔いして“絡まれた”ため注意したところ「黙れ」と反論されたといいます。

ただ、年齢の話題になった際に被告の方が年長であることが発覚したため、「年上には敬語を使った方がいい」と助言したところ、「敬語がわからない。教育を受けていない」と言われた上、両手で胸を押されビンタされました。

その後も男子高校生から“絡まれた”ものの怒りを抑えていたところ、男子高校生がその場にいた別の人物と口論になり、仲裁に入った被告にとって“妹”のような存在の人物が押し倒されたため、暴行するに至ったということです。

一方で、海に投げ入れることは共犯の男が言い出したと主張したほか、「感情のコントロールができなかった」と口にしつつ、「殺すつもりはなかった」と初公判での罪状認否と同様に改めて殺意を否定しました。

テレビ静岡
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